2011 Fiscal Year Research-status Report
異文化コラボレーションのためのセマンティックギャップ解消の研究
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23500193
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
服部 文夫 立命館大学, 情報理工学部, 教授 (80388131)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桑原 和宏 立命館大学, 情報理工学部, 教授 (10374092)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | オントロジ構築:フランス |
Research Abstract |
本年度は基本的なアイデアを実現するための要素技術の確立に重点をおき,以下の検討を行った.(1)メタデータおよびオントロジの記述方法:翻訳対象となるメタデータ,およびその語彙体系を定義するオントロジの記述方法を検討した.多様な分野に応用可能な汎用的な表現法とするため,メタデータの記述にはセマンティックWebで標準的に用いられるRDF(Resouce Description Framework)を,オントロジの記述には標準化が進められているOWL(Web Ontology Language)を用いることとし,記述実験を行った.(2)メタデータおよびオントロジの構築:具体的な対象分野として,既存の多言語オントロジがあり,かつ言語によってオントロジの差異が明確な料理レシピを取り上げた.実際に料理に関する語彙のオントロジに加え,レシピの記述に関する語彙のオントロジを作成し,これらをベースとして料理レシピのメタデータの作成実験を,日本語および英語について行った.(3)メタデータ翻訳方法の検討:上記で作成した,RDFによって記述したメタデータを,オントロジを辞書として翻訳する手法を検討した.翻訳するためには異言語のオントロジ間の語彙の対応関係を知る必要がある.多言語のオントロジに共通する概念を記述したオントロジを利用して翻訳する方法と,それぞれの言語のオントロジの間の対応関係をもとにして翻訳する方法とを考案し,両者に関して手動で翻訳実験を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度は基礎技術の確立を狙いとして,(1)メタデータおよびオントロジの構築,(2)メタデータ翻訳と,(3)異言語のオントロジ間の対応関係を自動的に検出するオントロジマッピングに関して検討する予定であった.しかし,(1),(2)の研究に手間取り,(3)に関しては,関連技術の調査をする程度に留まった.その理由は,研究代表者が本年度前半まで学外研究のため海外に滞在していたことから,特にメタデータおよびオントロジ構築に関する実作業を担当する大学院生の指導が十分に行えなかったことにある.
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Strategy for Future Research Activity |
研究の遅れを取り戻すために,基礎技術の検討とプロトタイプの構築を並行して行う.次年度は以下の項目に重点をおいて進める.(1)メタデータ翻訳方法の確立:本年度の成果をベースに,精度が高くかつ効率的なメタデータ翻訳アルゴリズムを明らかにし,プロトタイプを構築する.(2)オントロジマッピングの検討:異なる言語間,および異なる文化背景のユーザ間のオントロジの差異を自動的に抽出する方法の検討を本格的に開始する.(3)メタデータ変換の検討:オントロジマッピングの結果をもとにメタデータの変換を行う方法については,先行研究の結果の応用可能性を主に検討を行う.(4)プロトタイプの構築:メタデータ翻訳機能を中心に実装を行う.また,合わせて本年度に作成したメタデータおよびオントロジの拡充を実施する.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
プロトタイプ構築用の計算機環境とソフトウェアの整備を行う.また,検証実験用のメタデータおよびオントロジの構築を引き続き行うため,謝金を計上する.さらに,情報収集,研究発表,国外研究協力者との打合せ等のための出張費を支出予定である.
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