2013 Fiscal Year Annual Research Report
複雑ネットワーク上でのカルチャーダイナミクスの数理モデリング
Project/Area Number |
23500194
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Research Institution | Ryukoku University |
Principal Investigator |
木村 昌弘 龍谷大学, 理工学部, 教授 (10396153)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斉藤 和巳 静岡県立大学, 経営情報学部, 教授 (80379544)
大原 剛三 青山学院大学, 理工学部, 准教授 (30294127)
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Keywords | 社会ネットワーク分析 / 情報拡散モデル / オピニオン形成モデル / 学習アルゴリズム / 変化点検出 / データマイニング / 複雑ネットワーク科学 |
Research Abstract |
最終年度では、各種応用を提案し評価した。研究成果は、次の3点である。 (1) 社会ネットワークにおいて影響力のあるノードの新たなタイプとして、そのノードを取り除くとネットワークの平均影響度が大きく減少するようなノードを超媒介者(super-mediator)ノードと定義し、ノードの超媒介者度の効率的な計算法を構築した。そして、実験により、超媒介者性はエンロンEメールネットワークの中で重要な役割を果たすノードを同定できること、さらに、超媒介者性と従来のネットワーク中心性との統計的性質の違いを明かにした。 (2) 社会ネットワークにおける影響最大化問題の新たなタイプとして、K個のノード群を選択し情報源である新ノードからそれらターゲットノード群へのリンクを追加する影響最大化問題をターゲット選択問題と定義し、その有効な解法を構築するとともに、従来の影響最大化問題の解との違いを明らかにした。 (3) ソーシャルメディアに蓄積されている地理および時間情報をもつ大量の写真データに基づいて主要な観光スポットのバーストシーズンを可視化する手法を提案し、Flickrデータを用いた実験によりその有効性を実証した。 研究期間全体を通じ、社会ネットワーク上のオピニオンダイナミクスの数理モデルとして、価値重み付き混合投票者モデル(VwMVモデル)および時間減衰ダイナミクスをもつ投票者モデル(TDVモデル)を考案し、それらの挙動を解明するとともに、観測データからそれらのモデルのパラメータ学習アルゴリズムを構築して、実社会ネットワークを用いた実験によりそれらモデルの有効性を実証した。また、社会ネットワーク上での情報拡散やオピニオン拡散におけるバースト期間の検出法、ソーシャルメディアデータにおけるリンク予測法など、各種応用を提案し、実験により有効性を示した。
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