2011 Fiscal Year Research-status Report
マルチエージェント環境下での群知能を用いた行動獲得における汎化能力に関する研究
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23500196
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Research Institution | Asahikawa National College of Technology |
Principal Investigator |
笹岡 久行 旭川工業高等専門学校, 電気情報工学科, 准教授 (30333272)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 群知能 / アントコロニー最適化法 / RoboCup / マルチエージェント |
Research Abstract |
本年度は,メタヒューリスティクスの一手法であるアントコロニー最適化法(Ant Colony Optimization;ACO)をマルチエージェントシステムに適用する手法を提案した.そして,実験用システムを構築し,評価実験結果からその有効性を確認した.ACOはDorigoらにより提案された群知能の一つの手法であり,この蟻の採餌行動におけるフェロモンを用いた最短経路選択行動にヒントを得たアルゴリズムである. 本研究では,マルチエージェントシステムの1つであるRoboCupレスキューシミュレーションシステムを実験のために用いた.このRoboCupレスキューシミュレーションシステムとは,火災や地震等の災害が発生する都市をコンピュータ上に仮想的に再現し,この中で災害救助等を行うためのシステムである.この際,被災の大きさや救助した人命に従い,災害時の各プログラムの活動を可視化することができる. 初年度の評価実験では1種類のエージェント(Fire-brigade エージェント)に対して提案手法を適用し,消火活動の際の給水行動の効率化を目指した.また,この評価実験では,このRoboCupレスキューシミュレーションシステムにおいて,提案手法を組み込んだエージェントによる結果と提案手法を組み込まないエージェントによる結果とを比較した.その結果,組み込んだエージェントによる場合のシミュレーションにおけるスコアが僅かながら上回っており,この結果から提案手法の有効性を確認した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度の取組として,RoboCupレスキューシミュレーションシステムにおける1種類のエージェント(Fire-brigadeエージェント)に手法を適用し,評価実験を実施するところまでは完了している.また,実験結果からその有効性を確認できた.さらに,その成果を関連する国際会議等において発表した.
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Strategy for Future Research Activity |
初年度の研究成果を,RoboCupレスキューシミュレーションシステムにおける他種類のエージェント(Police-forceエージェント及びAmbulanceエージェント)に展開し,異なる役割を有するエージェント間での提案手法の有効性を確認していく予定である.さらに,アントコロニー最適化法のアルゴリズムを深化し,研究を展開することを予定している.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本研究の初年度いは比較的小規模な計算量で済む評価実験が多く,計算機のリソースに余裕があり,実験用ワークステーション等の物品購入を見送った.そのような理由から次年度へ繰り越す研究費が生じた. しかし,今年度はより大規模なシミュレーションによる評価実験を実施する予定である.このため,シミュレーション実験用高性能ワークステーション等の物品を購入する予定である. また,それらの成果を関連する雑誌論文あるいは国際会議(4th IEEE Intelligent Networking and Collaborative Systems他)等において研究発表を行う予定である.それらの論文別刷のための費用,投稿論文のための英文校正費用,研究発表のための旅費等に利用する予定である.
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