2012 Fiscal Year Research-status Report
マルチエージェント環境下での群知能を用いた行動獲得における汎化能力に関する研究
Project/Area Number |
23500196
|
Research Institution | Asahikawa National College of Technology |
Principal Investigator |
笹岡 久行 旭川工業高等専門学校, 電気情報工学科, 准教授 (30333272)
|
Keywords | 群知能 / アントコロニー最適化法 / マルチエージェントシステム / 機械学習 / RoboCup |
Research Abstract |
本年度,新たに評価実験において使用する目的で高速演算装置を購入し,実験環境の構築を行った.これは,提案手法に対する有効性の確認するために,平成23年度から継続している評価実験を行うためである.これにより,前年度よりも多くの実験データを収集することに成功した. そして,この実験システムの上で提案手法をベースとなるエージェントプログラムとし,その行動決定処理を改良したエージェントプログラムを作成した.具体的には,異なる役割を担うエージェントが混在するマルチエージェントシステムにおいて,同一の役割を担うエージェントではあるが,行動決定処理に関するアルゴリズムが異なるエージェントを混在させ,シミュレーション実験を実施し,その結果を考察した.これにより,本研究における新たな研究指針を得るに至った. さらに,論文誌J. of Machine Learning and Computingにおいて論文が採択され,今年度までの研究成果が公開された.これ以外にも,国際会議や国内開催の研究会・シンポジウム等において9件の口頭発表を行い,研究成果を報告した.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
評価実験の環境構築を行い,評価実験結果からデータの収集を継続している.また,査読付き論文1編,査読付きの国際会議での発表4件等の研究成果の公開も積極的に行なっている. しかし,エージェントにおける汎化処理を行うためには学習用データ量がまだ不足しており,今年度,引き続き実験を行い,データ収集を継続する必要がある.さらに,エージェント間の通信の失敗が生じる等,まだ解決すべき問題点が残されているので,平成25年度は,それらの問題点を解決し,さらに研究を進める予定である.
|
Strategy for Future Research Activity |
平成25度は主に下記2点に注力する. まず1点目は,汎化処理のための学習用データの収集を継続する.これまで実施してきたマルチエージェント環境下における実験を継続し,データの容量を増やすことを目指す.この学習データを活用し,エージェントの行動決定に関する汎化処理を組み込み,その有効性を確認する予定である. 2点目は,アントコロニー最適化法におけるフェロモン濃度の影響に関する考察を深める.昆虫のアリの個体においてもフェロモンの感知の度合いに差があり,それにより個体の行動の差が生じていることが,生物学の研究成果から明らかになっている.平成24年度の研究成果の1つにこれを同一の役割を担うエージェントにおいて組み込み,シミュレーション実験における結果を考察した.平成25年度はこれをより深化させる予定である.
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度へ研究費の繰越が生じた理由は,平成24年度は高速演算処理装置と大容量データ保存装置の購入を行う予定であったが,そのための評価実験環境の構築が予定よりも遅れている.このため,機器購入ができず,繰越が生じてしまった. 平成25年度は評価実験をさらに高度化させるために,高速演算処理装置と大容量データ保存装置を購入し,研究を推進する予定である.この物品購入に研究費を使用させて頂く予定である.さらに,研究成果を雑誌論文あるいは国際会議等において研究発表を行い,その成果を公開して行く予定である.そのため,論文別刷りの費用,外国語論文の校正費用,学会・会議の参加費や旅費に研究費を使用させて頂く予定である.
|