2011 Fiscal Year Research-status Report
複数ロボットによる協調監視を実現する巡回経路設計システムの開発
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23500206
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
富岡 洋一 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (10574072)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北澤 仁志 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (60345329)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 監視ロボット / 巡回経路 |
Research Abstract |
本研究では安心・安全な社会の実現に向けた監視システムの性能向上に大きく貢献すべく,複数台の監視ロボットが協調して巡回監視を行うための巡回経路探索手法の確立を目的としている.平成23年度は,全領域を定期的に監視する巡回経路を得ること目標とし,これまでに開発した1台の監視ロボットのための巡回経路探索手法を拡張することで複数台の監視ロボットの巡回経路探索手法を開発すると共に,同手法の高速化に取り組んだ.本手法は混合整数計画法に基づいており,監視ロボットが搭載するカメラの視野距離と視野角度の下,所望の間隔での継続した監視を実現するために必要な最小の監視ロボットの台数とその最適な巡回経路を決定できる.本手法を用いることで監視ロボットの導入,管理コストを抑えられると共に,火災等の異常事態の早期発見に貢献できると考えられる.更に,監視領域の表現方法を改善することで本手法の高速化を行った,監視領域は監視ロボットによる観測候補点と観測候補点間の移動を表わす辺からなるグラフで表現できる.まず,全領域を単位グリッドに刻み,各グリッドを観測候補点とし隣接する観測候補点を接続することでグラフを生成する.次にいかなる観測候補点からも観測できない領域が生じない範囲で近傍の観測候補点を逐次的に縮退し冗長な観測点を削減することで,巡回経路探索の効率を大きく向上した.本年度の研究により,監視ロボットを用いた監視システムの基本となる技術が開発できた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の目標は複数台の監視ロボットが協調して巡回監視を行うための巡回経路探索手法の確立である.平成23年度は研究計画に従い下記の3つの課題に取り組んだ.(23-1) 巡回監視経路探索に適した観測領域の表現方法の確立,(23-2) 要求頻度に基づく複数台監視ロボットの巡回経路探索手法の確立,(23-3) 局所修正に基づく高速な巡回経路探索アルゴリズムの開発.このうち,(23-1),(23-2)の課題については平成23年度で完了した.一方,(23-3)の課題については研究期間を半年間延長し平成24年度の前半まで研究に取り組むが,「今後の研究の推進方策」に従い研究を実施することで十分に目標を達成できる.このため,本研究は概ね順調に進展していると考えている.
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Strategy for Future Research Activity |
平成23年度に開発した巡回経路探索手法では,監視領域のグラフ化を改善することで効率的に最適な経路を探索した.一方,運用時の環境の変化に柔軟に対応するためには,より高速な巡回経路探索手法も求められる.そこで昨年度に引き続き,平成24年度の前半では局所的に経路を改善する修正法を繰り返し適用するアプローチにより,平成23年度に開発した手法による巡回経路と同程度の経路を,数秒から数分で得ることを目指す.監視ロボットによる巡回監視では経路設計が不十分であると監視ロボットを避けて監視領域内を移動し続けることで,侵入者に潜伏される危険性がある.そこで,平成24年度の後半から平成25年度の前半では,複数台の監視ロボットが協調して巡回することで,複数の監視ロボット又は固定カメラに囲まれたエリアに潜伏者を追い込んで行き,カメラに写ることなく滞留し続けることを不可能とする協調巡回経路と監視ロボットの移動スケジュールを探索する手法を開発する.更に,監視ロボットが充電無しに稼働可能な時間と充電又は電池交換に必要な時間が与えられたときに,全ての監視ロボットが稼働し続けるために必要な充電ドックの最小数とその最適配置を求める手法を確立する.まずは監視ロボットの巡回経路は入力で与えられるとし,充電ドックの最適配置手法を確立する.平成25年度の後半からは充電ドックの最適配置と監視ロボットの協調巡回経路探索を同時に考慮する手法の開発に取り組む.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成24年度の研究費はシミュレーション用の計算機の購入,データ保存・共有用のネットワーク対応大容量HDD,プログラム作成・デバッグの謝金,研究成果発表のための旅費・論文投稿料として使用する.また,平成23年度の研究課題の課題である局所修正に基づく高速な巡回経路探索アルゴリズムの開発には平成24年度前半まで継続して取り組むため,本研究のプログラム作成・デバッグの謝金,研究成果発表のための旅費・論文投稿料として平成23年度の研究費の一部を平成24年度に使用する.
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