2012 Fiscal Year Research-status Report
顔表情の可視情報と非可視情報による感情推定に関する研究
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23500208
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Research Institution | Japan Advanced Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
小谷 一孔 北陸先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 准教授 (20225452)
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Keywords | 顔表情認識 / 感情推定 |
Research Abstract |
1.顔表面温度画像データベースの作成 本研究において起点となるデータベースの作成を行った。特に本分野で研究を先行しているテネシー大学EECSのProf. Mongi Abidiらの研究グループと議論し、データベースのバリエーション、環境設定などの知見を基に20名を超える被験者のデータベースを作成した。 2.顔画像+顔表面温度画像による表情認識エンジンの試作 既に構築している顔画像のデータベースおよび本研究で構築したデータベースによって辞書データを学習により取得し、EMC(Eigenspace Method based on Class feature)および統合類似度法による表情認識エンジンの試作を行った。この結果、最大約80%程の認識精度が得られた。 3.顔画像、顔表面温度画像による認識特性の解析 顔画像を用いた表情認識エンジンでは基本6表情を約70%で認識できた。一方、顔表面温度画像を用いた表情認識エンジンでは6表情の分離精度は怒り、悲しみの表情で80%を超える精度が得られるものの、笑い、嫌悪、驚き、平常時では40%程度の精度に留まった。このように顔表面温度画像による表情認識はクラス分離精度が低くなったが、試みに顔表情強度をクラスとして定義して認識特性を解析したところ、70%程度の精度が得られた。これは、従来の表情認識手法が表情クラスしか分離できないのに対して、顔表情温度を表情認識に用いることにより、表情強度を分解できることから、感情強度の認識が可能であることが期待できる。次年度にデータベースを拡充し、表情強度、感情強度の認識、推定に取り組みたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
1.データベースの構築に時間を要した 特に撮影環境の設定条件によって、撮影した顔表面温度画像が大きく変動するため、この変動を緩和する撮影環境(特に部屋温度)の設定および変動成分を後処理で補正する手法の検討に時間を要した。 2.顔画像および顔表面温度画像による認識エンジンの開発に時間を要している 異なるメディアである2種類の画像の認識結果を統合する技術の開発に時間がかかっている。特に両メディアでの認識エンジンにおいて類似度を統合する際の重み係数の最適化はまだ実現できていない。現在は統合類似度法と呼ぶ我々が独自に開発した手法を用いて実験しているが、係数の最適化までには至っていない。
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Strategy for Future Research Activity |
1.顔表面温度画像データベースの拡充 Prof. Mongi Abidらと議論を進めながらデータベースの拡充を図る 2.顔画像および顔表面温度画像による認識エンジンの開発 統合類似度法において重み係数の最適化の検討を進める。 3.顔表情クラスだけでなく、表情強度の認識機能を持った顔表情(感情)認識エンジンを完成させる
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
1.テネシー大学Prof. Mongi Abidらと研究交流を継続し、データベースの拡充を進める 24年度にテネシー大学を訪問し、研究打ち合わせを行う予定であったが、訪問直前に研究代表者が体調を崩したため、研究を補助する学生のみ相手先を訪問した。このため旅費などの予算に未使用額が生じた。次年度は本研究予算によりProf. Mongi Abidらのグループとの研究交流を継続し、研究打ち合わせを行い、データベースの拡充を進める。 2.研究成果の発表 研究成果を国際シンポジウムにおいて発表する。 3.研究機器(主要設備であるサーモグラフィ)の保守
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Research Products
(1 results)