2011 Fiscal Year Research-status Report
部分空間スパース性に基づく並進不変画像モデルの学習とその画像処理への応用
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23500210
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
中静 真 大阪大学, 基礎工学研究科, 准教授 (10251787)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 信号解析 / 信号処理 / 信号生成モデル / 信号識別モデル / 画像特徴抽出 / スパース信号表現 / 基底学習 / 信号分解 |
Research Abstract |
本課題では,部分空間スパース性に基づく画像モデルの構築と,その画像処理応用を目的としている.現在までに,スパース信号表現として,過剰な基底系の中からできるだけ少ない基底を選択することで,画像・信号を表現する方法が提案されている.本研究では,基底を部分空間へ拡張し,画像に対して部分空間を学習することで,従来のスパース表現の能力を超える構造記述による画像表現と画像処理を実現することを目的とする.本年度は,部分空間を定義するために,従来の信号モデルである信号の生成モデルに加えて,新たに信号の識別モデルを導入した.識別モデルは,基底系の直交補空間として信号の部分空間を定義するモデルであり,生成モデルよりも簡潔な記述で,柔軟な信号の表現を与えることが期待できる.本年度は,識別モデルに基づくスパース信号表現のための目的関数の定義,および目的関数の最小化のためのアルゴリズムを検討した.目的関数は,信号モデルに対する忠実度,信号の近似精度,さらにモデルの数に関するスパース性の尺度の総和として定義している.この目的関数を最小化するために,最小化問題を複数の副問題に分解し,それぞれの副問題を解く方法を提案した.また,具体的な信号として1次元信号を対象として,生成モデルによる部分空間スパース信号表現と,識別モデルによる信号表現の比較を行った.比較の結果,識別モデルによるスパース信号分解では,生成モデルに基づく分解と比較して,信号部分空間を疎な行列で定義することが可能であることがわかった.次年度以降の研究では,生成モデルによる画像構造の表現と共に,識別モデルによる表現についても合わせて検討する.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究開始時には,画像特徴空間を基底の1次結合で表現する生成モデルのみを検討していた.識別モデルによる信号部分空間の記述は,生成モデルによる記述よりも柔軟に信号を記述できる可能性がある.本年度は,生成モデルに代えて識別モデルによる特徴空間の記述の可能性を中心に検討したため,画像処理応用へ至らなかった.
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Strategy for Future Research Activity |
平成23年度に検討した識別モデルによるスパース信号表現を,2次元信号に拡張し,画像に対してモデルを更新することを検討する.さらに,研究開始時に検討を行っていた生成モデルによる信号表現においても,画像特徴を記述する部分空間の次元の設定法を学習法の枠組みの中で検討する.さらに,具体的な応用についても検討を行う.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本年度の研究成果に基づき,識別モデルと生成モデルの学習を2次元信号である画像に適用する.モデルの学習のためには,複雑な最適化問題を反復的に解く必要がある.そこで,数値計算ソフトウェア,並列計算機を使用する.また,本年度の研究成果を国内,国際会議で発表し,議論するための旅費も計上する.また,実画像へ研究成果を応用するために,画像データベース等の整備が必要となる.画像処理のために,計算機環境の構築も計画している.
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Research Products
(5 results)