2012 Fiscal Year Research-status Report
部分空間スパース性に基づく並進不変画像モデルの学習とその画像処理への応用
Project/Area Number |
23500210
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Research Institution | Chiba Institute of Technology |
Principal Investigator |
中静 真 千葉工業大学, 工学部, 教授 (10251787)
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Keywords | 画像処理 / 信号処理 / スパース性 / 信号分解 / 画像モデル / 基底系学習 / 教師なし学習 |
Research Abstract |
本研究課題は,画像中に現れる並進不変な微細構造を基底ベクトルが張る部分空間で表現し,これが疎らに現れる仮定に基づき部分空間を学習,画像モデルを構築することを目的としている.さらに,画像モデルを先見情報として,さまざまな画像復元問題や画像解析の問題へ応用することを目的としている. 本年度は,1次元信号を元に,部分空間を線形フィルタによって定義し,線形フィルタによって定義される信号の発生が疎らであることを仮定することで,信号を分解する方法を提案した.これは,研究課題において,部分空間の定義および最適化法の検討と位置付けられる.部分空間を線形フィルタ出力を零とする信号空間とすることで定義し,線形フィルタ出力のペナルティとして,L2ノルム,L1ノルムそれぞれでの分解性能,および分解アルゴリズムを検討した.分解アルゴリズムでは,線形フィルタ出力に対するペナルティおよび信号の数に関するスパース性に関するペナルティと,近似誤差の和を目的関数とし,これを最小化することで信号分解を実現した. 目的関数の最小化は,目的関数の双対関数を与え,この双対関数から解空間を求めて,この空間への射影を行うことで,実現している.以上の研究成果より,単純なフィルタにより部分空間を定義し,さらにスパース性から信号を分解できることを示し,音響信号を音高毎に分離するアプリケーションを提案した.次年度からは,今年度に得られた知見に基づき画像信号の分解,部分空間の学習へ応用し,提案課題の目的である画像モデルの構築と画像処理を実現する.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
画像応用のために大規模な変数に対する最適化法を検討する必要があった.本年度は1次元信号を例題として,最適化法の検討を中心に研究を行ったために,画像への拡張が遅れている.また,パラメータの設定,特に画像特徴のクラスの数の設定について,新たに非パラメトリックなクラスタリング法を検討する必要があった.現在,2次元画像へクラスタリング手法を導入することで信号の並進不変特徴を表すための部分空間の個数を自動的に決める方法を検討し,画像のモデリングへ応用することを検討している.
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Strategy for Future Research Activity |
今年度の最適化法の検討結果,また,クラスタリング方法の検討結果を元にして,画像へ部分空間学習を拡張する.さらに,学習過程に画像の劣化等を含め,画像復元へ応用し,提案法の有効性を確認する.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
画像への部分空間学習の適用のために,最適化計算のための計算サーバーおよび最適化アルゴリズム開発のためのソフトウェア購入のための費用を予定している.さらに,画像処理のために画像データベースの作成および蓄積のための記録サーバーのための費用を予定している.研究成果を国内外の学会で発表するための,旅費についても計上する予定である.
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Research Products
(6 results)