2013 Fiscal Year Annual Research Report
部分空間スパース性に基づく並進不変画像モデルの学習とその画像処理への応用
Project/Area Number |
23500210
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Research Institution | Chiba Institute of Technology |
Principal Investigator |
中静 真 千葉工業大学, 工学部, 教授 (10251787)
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Keywords | 画像処理 / 画像表現 / 画像復元 / 雑音除去 / スパース信号表現 / 基底系学習 |
Research Abstract |
本研究では,画像を並進移動から生成した基底系によるスパース表現と,基底系の学習および応用についての研究を進めている.基底系の係数に対してスパース性を課すことで,画像を分解,さらに,分解結果から基底系を更新することで画像に繰り返し表れる局所構造を基底系として学習している. 従来までに提案した並進不変な基底系学習では,スパース表現のための生成基底の数に明確な基準が無かった.最適な生成基底の数は,画像の複雑さに応じて変化すると考えられるが,従来までは応用に応じて,経験的に設定していた.そこで,本年度は,生成基底から生成される並進不変な基底系が張る部分空間に対してもスパース性を課すことで,部分空間を生成する生成基底の個数を決める方法を提案した.これは,画像の分解において,従来のl1ノルムに基づくスパース性だけでなく,同一の生成基底から生成された基底系に対するグループスパース(部分空間スパース)性に関するペナルティも,同時に展開係数に課す方法である.二つのスパース性に関するペナルティとして持つ最適化問題を検討し,少ない生成基底数で画像表現を行う方法を実現した. また,本年度は,画像を現す部分空間を非線形フィルタを用いて定義し,この部分空間と近似画像の残差にスパース性を課す画像近似法を提案した.また,この画像近似法の応用として,雑音除去,ボケ復元を実現した.非線形フィルタとして,モフォロジカルオープニング・クロージングフィルタを用い,非線形最小二乗の手法を用いて画像近似を行った.この過程において,不連続な非線形関数を連続関数で近似することにより,ガウス性雑音に対して耐性を持つ近似法を実現した.提案法を拡張することで,雑音除去へ応用し,全変動(Total Variation)をペナルティとして持つ雑音除去法よりも高い精度で原画像が復元できることを確認した.
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Research Products
(3 results)