2013 Fiscal Year Annual Research Report
不可視光源による影領域を用いた歩容認証システムの開発
Project/Area Number |
23500216
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
岩下 友美 九州大学, システム情報科学研究科(研究院, 助教 (70467877)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
倉爪 亮 九州大学, システム情報科学研究科(研究院, 教授 (70272672)
諸岡 健一 九州大学, システム情報科学研究科(研究院, 准教授 (80323806)
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Keywords | 個人認証 / 歩容 / 影生体情報 / 赤外線 |
Research Abstract |
本研究は,建物へのアクセス認証や屋内におけるセキュリティシステムにおいて,被認証者の負担の無い個人認証を実現するために,複数台の不可視光源により地面に投影された歩行者の影領域を用いた,個人認証システムの開発を目的とする.特に本研究では,認証を行っていることを被認証者に意識させないために,通常のライトと同様に複数台の赤外線ライトを天井に設置し,また地面に対して垂直に画像を撮影するように,単一カメラを天井に埋め込み設置した.前年度までに開発したシステムでは,地面に投影された被認証者の“影”は,光源を視点として疑似的に撮影された画像であると考え,単一カメラにより撮影された歩行者の複数の影領域を用いることで,高い識別性能を実現している.また,被認証者の衣服の影響により,観測された対象人物の輪郭線が真の輪郭線と異なる場合でも,観測可能な被認証者の一部の真の輪郭線から,個人認証が可能であるという特徴も有する. 前年度までに開発した技術である〝被認証者の衣服の影響による,見えの変化に頑強な個人識別手法”を拡張して,今年度ではさらなる性能改善を行った.具体的には,前年度までは,被認証者の複数枚の歩行画像より得られた一枚の平均画像を用いて,個人識別を行っていたため,時系列情報が失われていた.これに対し,今年度ではそれぞれの歩行画像から抽出された歩行特徴を用いて,時系列情報を考慮した個人識別手法を開発した.これにより大幅な性能改善が実現され,54名の歩行画像データベースを用いた場合,前年度では見えの変化が生じる場合は70%程度の個人識別率であったのに対し,今年度はほぼ100%の個人識別率を実現した. 以上より,本研究の目的である,被認証者の負担の無い,かつ識別性能が高い個人識別システムの開発は達成できた.
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