2013 Fiscal Year Annual Research Report
肺音を用いた統計的手法による肺疾患者の頑健で高精度な検出法の研究
Project/Area Number |
23500217
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
松永 昭一 長崎大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (90380815)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小栗 清 長崎大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (80325670)
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Keywords | 肺音 / 疾患者識別 / 異常音識別 / 統計的手法 |
Research Abstract |
1)副雑音を含む異常肺音と正常肺音、および健常者と肺疾患者の識別に関して、混入する雑音に対しても頑健な統計的検出手法の構築を目指して、肺音データベースの拡充を行い、従来の4箇所だったものを8箇所の聴診箇所の肺音にタグ(副雑音の種類と発生区間)の付与を行った。 2)この8箇所の聴診音を用いて健常音と疾患音の識別を行ったところ、性能を約80%から90%に約10%向上させることができ、聴診を多くの場所から行うことが有効であることを示せた。また、聴診箇所間の副雑音の出現傾向の関連を調査したところ、聴診箇所が近い場合にその相関値が高く、遠い場所の場合には相関値が低いことを示した。この相関を利用することにより異常音の検出、および疾患者の検出に有効であることを示せた。 3)また、現在の疾患者の識別においては、各呼気、吸気の区間を手作業で切り出さなければならないという課題があったが、この課題に対処する方法について異常音を検出する場合と疾患者を検出する場合の両側面から検討を行った。 4)従来より検討していた呼気・吸気列全体での副雑音の出現傾向を考慮した異常肺音と疾患者の検出方法と、副雑音が発生するタイミングを考慮した識別法の実験的比較を行った。この結果、両者はほぼ同等の識別能力を持つことを示した。 5)疾患者の識別に関して、教師なしの手法により統計的音響モデルを再学習する手法を検討した。この結果、正常音の学習に関しては、効果があることを示せた。
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Research Products
(3 results)