2011 Fiscal Year Research-status Report
独立成分分析を利用した超音波画像テクスチャ情報からの肥育牛の脂肪交雑推定
Project/Area Number |
23500238
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
福田 修 独立行政法人産業技術総合研究所, 生産計測技術研究センター, 主任研究員 (20357891)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 独立成分分析 / 超音波画像 / テクスチャ / 畜産 |
Research Abstract |
本研究の目的は,肥育牛から計測した超音波エコー画像に基づいて,非侵襲かつ高精度に肉質(脂肪交雑(いわゆる霜降り度)を12段階でランク付けした値)を推定する技術を確立することである.そのため,独立成分分析を利用した推定アルゴリズムの研究開発を行い,その有効性を様々な角度から検証する. H23年度の実施計画では,この推定アルゴリズムの構築を実施した.また,比較検証用のデータとして,電気インピーダンス法による体組成の計測も併せて実施した.開発したアルゴリズムは,1.超音波エコー画像からのテクスチャ特徴抽出,2.主成分分析による冗長成分の除去,3.独立成分分析による基底変換,4.ニューラルネットによるモデリングおよび推定で構成される.このアルゴリズムの妥当性を検証するために,人工的なサンプルデータによる検証と,肥育牛から計測した実データによる検証を実施した結果,103頭の肥育牛に対する推定精度の検証において,推定値 vs 実測値の相関においてr=0.7の推定精度を達成した.またこの際,従来手法と推定精度を比較するために,従来の主成分分析のみを用いた方法と精度検証を実施したところ,約10%の精度向上が期待できることを確認した.電気インピーダンス法による体組成の計測は,9頭に対して実施することができ,計測した電気インピーダンス値と肉質との間に有意な相関を確認することができた.また,超音波画像を利用した肉質推定技術と電気インピーダンスを利用した肉質推定技術の2つの手法を融合させることで,さらに高精度な肉質判定技術が構築できる可能性が見出された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
交付申請書に記載した計画について,概ね全ての項目を達成することができた.
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Strategy for Future Research Activity |
H23年度は,H24 年度に予定していたアルゴリズムの検証を一部前倒しで実施した反面,予定していた成果発表が間に合わなかった.今後は,研究の遂行と成果発表のバランスを取りながら研究を遂行したいと考えている.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
H23年度に成果発表が遅れたために「次年度使用額」が生じた.H23年度の旅費に充当して使用する見込みである.H24年度の研究費は,H23年度に開発したアルゴリズムの検証に主に使用する予定である.
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Research Products
(1 results)