2011 Fiscal Year Research-status Report
身体性を基盤としたコミュニケーションを通して子供と遊ぶ自律ロボットの研究
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23500240
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
長井 隆行 電気通信大学, 情報理工学(系)研究科, 准教授 (40303010)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 遊び相手ロボット / 心的状態推定 / 興味度 / 状態遷移モデル / RoboCup@Home |
Research Abstract |
23年度はまず、基本となる遊びロボットの実現、及び「保育士-子供」による遊び観測実験を行い、その後の検討を行うための実験データの蓄積を行うことが目標であった。具体的な成果は次の通りである。(1)遊びロボットの基本モジュール開発:研究を開始する段階で既に、ロボットプラットフォームに、簡単な対話を中心に、「じゃんけん」、「神経衰弱」、「お絵かき」、「積木」、「絵本読み聞かせ」の6つの遊びモジュールが実装済みであった。ただし、完全な自動化や自動的な遊びの切り替え機能を実装していないため、そうした点を改善し、基本的な遊びロボットの開発を行った。実際、数名の大人を被験者として予備実験を行い、動作の確認を行った。(2)「保育士-子供」による遊び観測実験:保育士がどのように子供とインタラクションしながら遊びを促進するかを観測するために、保育士に数名の子供と遊んでもらい、その様子を複数台のビデオに記録した。また、このビデオの解析を行い、保育士と子供の遊びに関する状態遷移モデルを開発した。(3)子供の状態センシング手法検討:研究開始時点では、子供の顔向きと笑顔度を計測することで、子供の興味度が推定できることを確認済みであった。しかし、その他の情報や推定手法の高度化により、推定精度の向上を図ることのできる可能性があった。そこで(2)の実験データを解析し、3次元情報を利用したより高精度な状態推定手法を開発した。(4)「子供-ロボット」予備実験:数名の子供による予備実験を行い、動作確認と来年度の実験に向けた最終的な改良を行った。(5)@ホームリーグ出場による評価:実装した遊びモジュールを評価するために、RoboCup@Homeリーグに出場した。結果として、ジャパンオープンで優勝し、ロボット学会賞を受賞するなどの具体的な成果を挙げることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上記研究実績の内容は、ほぼ申請書記載の23年度目標を実現したものであり、おおむね順調に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
申請書記載の目標において、コミュニケーションモデルの検討のみが、本年度の具体的な成果として実現できなかった項目である。この項目を来年度に実施する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
計画書の通りに研究費を使用する予定である。
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Research Products
(5 results)