2012 Fiscal Year Research-status Report
超高精細ヒト脳図譜の体系化によるオーダメイド脳図譜の構築
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23500244
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
諸岡 健一 九州大学, システム情報科学研究科(研究院, 准教授 (80323806)
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Keywords | 脳図譜 / 患者指向脳図譜 / 脳深部刺激療法 |
Research Abstract |
平成24年度は,複数の患者脳を対応付ける手法を開発した.各患者脳の形状モデルは医用画像から作成されるが,各モデルの頂点数やそれを連結した位相構造は異なる.そこで,申請者が開発した変形可能な表面形状モデルSDM(Self-organizing Deformable Model) を利用する.前年度では,SDMをボリュームモデルに拡張したSDBM(Self-organizing Deformable Brain Model)を開発した.今年度は,SDBM変形の安定化を行った.具体的には,目標となる曲面に当てはようSDMを変形すると,SDMの隣接していない部分が,目標曲面上の同一領域に写像される折り畳みが問題であった.それに対し,注目頂点が隣接するパッチの重心位置に移動する折り畳み除去処理を導入することで解決した. また,Least-squares Mesh (LSM)法を利用して,基本的な脳の内部構造を持つ基準脳モデルを,患者脳の医用画像に一致するよう変形させる手法を開発した.LSM法を適用するためには,基本脳モデルと患者脳の対応付けを行う必要がある.本年度では,LSM法の実行に有効な脳内部構造を検証し,視床下核周辺の構造が適切であることを求めた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
交付申請時での平成24年度の目的は,脳図譜を患者脳の医用画像へ写像する手法を開発することであった.【研究実績の概要】で述べたように,LSM法を用いた写像法を開発し,患者固有の脳図譜を推定することが可能となり,目的を達成できた. また,脳図譜データベースの基盤技術である,脳モデル間の対応付けを安定して行う手法を開発し,データベース構築の効率化を図った.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,脳モデルを数を増やし,脳図譜データベースの拡充を図る.また,医用画像だけでなく,術中に得られるセンサ情報も併用して,患者に特化した個別脳図譜を作成する手法を構築する.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度には,計上した比較的小型の計算機および消耗品を用いてシステムを構築し,このシステムを手術室に持ち込み,術中の患者情報の取得や,構築した個別脳図譜の有用性の検証に用いる.また,研究成果は,国内外の関連学会での発表・論文で報告し,専門的情報を提供する.
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Research Products
(4 results)