2013 Fiscal Year Annual Research Report
視覚系の生理的特性が及ぼす色覚の個人差の定量的評価に関する研究
Project/Area Number |
23500253
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
山内 泰樹 山形大学, 理工学研究科, 教授 (60550994)
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Keywords | 生理的個人差 / 等色関数 / 色覚 / 色の見え |
Research Abstract |
本年度は,黄斑色素濃度の測定,等色関数の測定,錐体比の測定を実施した.特に,網膜電位法(ERG)を用いた錐体比の測定を35名の被験者に対して行い,欧米人と比べて有意に日本人の比率が低いことを示し,これを国際学会において発表した.生理学的な視覚特性と知覚との関連性を示すための指標として用いる等色関数については,本研究において構築した測定装置によって得られた結果の妥当性を実証するために,市販されているプログラマブル光源を用いた比較検証する実験装置を構築した.それにより,実験精度や刺激光の単色性などに関する検討を実施し,その実験結果を国内学会において発表した. 研究期間を通じ,黄斑色素濃度,及びL/M錐体比といった生理学的特性を実験的に測定する手法を確立し,多数の被験者を用いてデータを採取することにより,日本人の生理学的特性に関するデータベースを構築することに成功した.特に,L/M錐体比の分布が日本人と欧米人種において異なるという知見は本研究によって新しく得られたものである.また,色覚特性として,等色関数を測定できるコンパクトな装置を開発し,その装置を用いて簡便に且つ正確に等色関数を測定出来る手法を検討した.生理学的特性を測定した被験者での色覚特性として,等色関数の測定を行い,等色関数の個人差を説明するのに,黄斑色素濃度の個人差は相関がないことを実験的に示したことが,本研究の成果として挙げられる.これらの研究成果については複数の国際学会,国内学会において発表済みで,現在投稿論文の準備を行っている.
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Research Products
(6 results)