2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23500256
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Research Institution | Japan Advanced Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
宮田 一乗 北陸先端科学技術大学院大学, 知識科学研究科, 教授 (00308355)
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Keywords | オノマトペ / 記憶想起 / グリッドレイアウト / 配色 / 食感 / 米菓 |
Research Abstract |
本研究では,オノマトペによる記憶想起への有効性を明らかにすることを目的としている.研究を進めるにつれ,オノマトペの意味以外の情報が重要な役割を果たすことが分かり,個人が所望する適切なオノマトペの提示という新たな課題が浮き彫りとなった.オノマトペの表示に強く関係する要素として,平成24年度対象としたフォント以外にレイアウトと色の要素が挙げられる.本研究では,記憶想起手法としての実利用を想定しており,オノマトペを用いるユーザの負担軽減も課題となる.そこで,すべての要素を同一の操作で扱えるように,レイアウトと色の要素にも,平成24年度と同様の支援手法を導入した.それらの支援手法は,グリッドレイアウトと配色を簡単な操作で扱うことを可能にする.各支援手法を用いた評価実験では,各手法において一般のユーザでも簡単かつ短時間で所望のグリッドレイアウトまたは配色を取得できることが実証された.さらに,平成25年度はオノマトペの持つ意味に関しても調査を掘り下げ,オノマトペと食感の関係性を探るための印象調査実験を実施した.本研究が対象とする記憶は,日常生活の記憶であり,摂食行動は日常生活に必要不可欠な行動である.すなわち,食感とオノマトペの関係性を明らかにすることで,日常生活での記憶で付与すべき情報(オノマトペ)を選定する指標となると考えられる.本調査では,食感の影響が強いと考えられる米菓を調査対象とし,オノマトペの第一子音が硬さに関する食感の表現に影響していること,オノマトペは口腔内の刺激や米菓の砕ける印象を巧妙に表現することが確認できた.本研究成果は,オノマトペを用いた記憶想起に関する新たな課題が明らかにし,その課題を解決したことから,記憶想起の研究が可能になっただけでなく,デザイン分野やオノマトペ研究の分野での応用可能な研究成果として,幅広く社会に貢献することが期待できる.
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