2013 Fiscal Year Annual Research Report
血液循環・自律神経解析に基づく感性定量評価の基礎研究
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23500262
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Research Institution | Hokkaido Institute of Technology |
Principal Investigator |
山下 政司 北海道科学大学, 保健医療学部, 教授 (40210421)
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Keywords | 生理学的緊張指標 / 感性 / 細動脈収縮 / ρmin / 精神生理学的興奮指標 |
Research Abstract |
緊張や不快といった負の感情・情動を客観的に評価できる生理的指標を求めるため、負の情動喚起画像と低周波騒音を用いてその生体応答と主観評価の関係を調査した。18~22歳の男性19人を対象とし、連続血圧、心電図、光電脈波、呼吸波などの計測を行って解析した。その結果、提示刺激は軽度の不快・緊張をもたらす刺激であり、脈波振幅(PWA)、収縮期血圧(SBP)、脈圧(PP)などが有意に変化した。しかし主観的不快度に対する生理応答は見当たらなかった。一方、主観的緊張状態に対応して、PWA, SBP, PPなど細動脈収縮に基づく反応が対応し、心拍(HR)や心拍変動のMayer波成分、呼吸性洞性不整脈(RSA)成分などは対応しないことがわかった。主観的緊張度に対応するこれらの応答は皮膚交感神経のα受容器応答によるものであることから、緊張状態では心拍変動解析パラメータなどは対応せず、客観的評価には皮膚交感神経活動に基づく指標を検討すべきことが明らかにされた。 研究全体を通して、基本的感性の客観的評価指標を明らかにし、その有効性を実証するために、精神的緊張に応答する生理指標を明らかにすると共に、新たに考案された精神生理学的興奮指標ρminに関する各種の解析を通して、様々な刺激に対する応答の有効性を確認し、課題難易度・主観評価などの多面的角度から評価した興奮度との相関の確認、自律神経活動との関連性評価、呼吸周波数依存性や体組成との関連などの特徴を明確にしてその有効性を示した。
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