2013 Fiscal Year Annual Research Report
局所パレート性を考慮した多目的最適化アルゴリズムの開発と逆問題への応用
Project/Area Number |
23500268
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Research Institution | Muroran Institute of Technology |
Principal Investigator |
渡邉 真也 室蘭工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (30388136)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塩谷 浩之 室蘭工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (90271642)
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Keywords | 進化型多目的最適化 / 逆問題 |
Research Abstract |
25年度の主な研究成果は,昨年度に開発した「局所最適性を考慮した探索手法」に対して計算コスト削減のための新たなメカニズムを実装したこと,進化型多目的最適化(Evolutionary Multicriterion Optimization,EMO)の小数投影CTへの応用について進展させたことである.また,本研究テーマの取り組みを通じて新たに派生した研究テーマである得られた非劣解集合に対する分析手法およびユーザとシステムが協調探索を行うユーザシステム協調型進化計算に関する研究においても大きな成果を挙げることができた. 開発した探索手法は,高精度かつ隙間の無い非劣解フロントの導出に成功しているものの計算コストの面で問題点があり,目的関数および設計変数の数が大きな問題に対して適用が困難であった.そのため,計算コスト削減を目的とした新たな2つのメカニズムを実装し,より広範囲の問題クラスに対して開発手法の適用を可能とした.具体的には,応答局面法を用いた近似関数の導入および初期解から改善を行う個体を選別するフィルタリング機能の実装を行った.この研究成果については,現在,英文雑誌へ投稿すべく準備を進めている段階である. 一方,逆問題に対するEMOの応用研究として小数投影CTに関する研究が大きく進展し,対象物画像が非常に細かい画像の場合などにおいて既存手法に対して明らかな優位性を示す結果が得られている.現在,観測される既知情報として用いるデータ生成方法に関して,より現実的な方法への変更を行っている最中であり,この変更が終わり次第,改めて再実験を行い論文にまとめたいと考えている. また,上記以外のテーマとして取り組んでいた非劣解集合に対する分析手法およびユーザシステム協調型進化計算に関する研究についてもそれぞれ人工知能学会誌,情報処理学会MPS研究会論文誌に掲載されるなど成果を挙げることができた.
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