2012 Fiscal Year Research-status Report
マルチスケール情報技術サービスをベースとする物流システムの構築
Project/Area Number |
23500272
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
董 芳艶 東京工業大学, 総合理工学研究科(研究院), 助教 (30432024)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
廣田 薫 東京工業大学, 総合理工学研究科(研究院), 教授 (50130943)
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Keywords | 感性情報 / 計算知能 / ファジィ理論 / 物流最適化 / ファジィ近傍 |
Research Abstract |
平成23年度後半に実施した巡回セールスマン問題ベンチマークデータで、データサイズの規模をあげ数百都市から千都市程度までを取り扱った。データサイズの増大に伴い、計算量も急速に増えるため(最大でデータサイズの自乗オーダ)、ファジィ近傍度の計算値とアルゴリズム切り替えのタイミングを更に細かく検討する必要があるため、経験則を、ルール型ファジィ推論の形式でとりまとめた。その結果は,最終年度25年度に実施予定の実用化実証実験のツールとして使用する。ベンチマークデータ実験で得られた成果を基に、実世界物流データでの実証実験を計画し、最初に、申請者グループで既にHIMSによる手法で実績のある、石油業界の配車配送計画の実データを用いて実証実験を行った。本データに関しては、現場専門家の基本的な評価まで得られていたので、それらをもとに、本研究による実証実験結果について評価分析を行った。平成24年度に於いても、研究成果を、研究会・国際会議・ジャーナル論文などでいくつか発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
目標としていた巡回セールスマン問題の千都市程度のベンチマークデータで、所期の実験結果を得ることが出来た。アルゴリズム切り替えタイミングに関するルール集合を構築し、タンクローリの配車配送計画という実用化データに適用する見通しが得られた。成果をいくつかの研究会・国際会議・ジャーナル論文に発表することが出来た。 以上の理由で、ほぼ予定通り研究が進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
現場の経験15年以上のベテランプランナーが深夜から早朝にかけて作成する配車配送計画を、申請者グループで開発したHIMSによる手法では、ベテランプランナーの解と同等以上の品質の解を現場でのノートPCを用いて20分程度で得ることが出来ていた。本研究では、それを更に短縮して5分程度(即ち、少し待つ間に結果を得る)を目標としており、ファジィ近傍度の概念を利用して25年度にそれを実施する。この石油配車配送計画では、(狭い道は走れない最大20トンクラスの)大型ローリー50台程度、顧客(ガソリンスタンド)数500程度の規模であり、数件程度の顧客を回った後で出荷基地に戻って商(各種燃料)の再積載が頻繁に必要になるという、特徴を有する。次に、これとは特徴が異なる、2トンから4トン程度の小型トラック数台程度で顧客数50件程度、出荷基地への戻りはあまり必要のない、異業種の例として、コンビニエンスストアの配車配送計画も取り扱う。このほかにも、いくつかの性質や特量の異なる、実配車配送計画データを求めて実証実験を行い、本研究提案手法の有効性と適用限界を明確にする。平成25年度に於いても随時、研究会・国際会議などでいくつか発表をし、実証実験結果をまとめてジャーナル論文として投稿する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
効率的に使用したため発生した未使用額も、次年度の計画のために有効に使用する。 実験などに用いる計算機環境は既存のものを用いるので、新規購入予定の備品はなし。 研究成果発表のための国際会議(IFSA2013,カナダ・エドモントンなど)の出張旅費、ジャーナル論文投稿発表の別刷代、図書購入代、計算機消耗品代、研究資料調達代、国際・国内会議登録費などを支出予定である。
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