2011 Fiscal Year Research-status Report
言葉によるコンピューティングのための時系列データの言語化基盤技術の開発
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23500274
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
小林 一郎 お茶の水女子大学, 大学院人間文化創成科学研究科, 教授 (60281440)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩爪 道昭 独立行政法人情報通信研究機構, 知識創成コミュニケーション研究センター, 研究マネージャー (80319756)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 言語化 / 時系列データ / テキスト生成 / SAX法 / 相関関係 |
Research Abstract |
平成23年度において、時系列データの大局的認識手法において整理を行い、これまでに提案してきた手法をさらに頑健にすることを行った。また、言語化の手法をテキスト生成手法と対応付けを行うことにより、全体の処理のモジュール化を行った。それらの研究成果は以下の2つの論文にまとめた.1. 小林一郎:時系列データの言語化への取り組み、第26回人工知能学会全国大会、 3B3-NFC-4-2、山口、6月、2012.; 2. Ichiro Kobayashi: Verbalizing Time series Data from a Macroscopic Viewpoint, 31th NAFIPS, California Berkeley, Aug.6-8, 2012. さらに、時系列データを記号化するSAX法を導入し、複数の時系列データを高速に比較することを可能にした.複数の時系列データどうしの相関関係を取ることにより、(i) 高い相関関係を持つ時系列データどうしにおける非類似箇所、(ii)負に高い相関関係を持つ時系列データどうしにおける類似箇所、(iii)相関関係が見られない時系列データどうしにおける類似箇所、を言語化する手法を提案した.その研究成果は以下の2つの論文において報告を行った.1. 小林瑞季、小林一郎:複数の時系列データの関連性発見に基づく言語化の一考察、第74 回情報処理学会全国大会、3月、2012.(学生奨励賞受賞)2.小林瑞季、小林一郎:複数の時系列データの関連性に基づく言語化のための基礎的考察、 第22回Webインテリジェンスとインタラクション研究会、3月、2012.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成23年度は、これまでに開発してきた時系列データの大局的認識手法において整理を行い、様々なアプリケーションへ適用可能になるように言語化の処理過程をモジュール化した。また、複数の時系列データに対して、効率的な処理を行うために時系列データを記号化することにより編集距離に基づきマッチングを行うSAX法を導入した。複数の時系列データを有する場合、どのデータとどのデータの関係を言語化すれば良いのかについては、時系列データどうしの相関関係を測り、その値に応じて言語化すべき個所を抽出する手法を提案した。これらの手法は、申請研究課題の基盤をなす部分であり、その部分の開発が順調に進められた。また、平成23年度にカリフォルニア大学・バークレイ校にあるBerkeley Initiative for Soft Computingの研究員であるDr. Sergio Gudarramaと時系列データの言語化についてディスカッションを行い、有益なコメントをもらうことができた.さらに共同研究者の岩爪氏とは時系列データの言語において必要となる背景知識の体系化の作業を進めることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
言語化を行う前処理となる、時系列データの処理について、より複数時系列データの比較・関係について価値ある言語化を行う手法の導入を検討する.具体的にはパーティクルフィルタのような時系列データのモデル化および予測手法を導入し、これまで言語化の方針(何を言語として表現すべきか)ということを時系列データ間の有意な差を捉えることで行っていたものをより意味のある言語化を行えるようにする。また、これに伴い、言語化において必要となる背景知識の体系化をより進める予定である。平成24年度もDr. Sergio Gudarramaを訪問し、時系列データの言語化について協議を行う予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成23年度の成果報告を国内外の会議にて報告を行う.システム開発用PCの購入.システム開発に必要となる時系列データの収集および整理などへの謝金の支払い.知識提供への謝礼.論文掲載費用などを次年度の研究費の支出計画としている.
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