2012 Fiscal Year Research-status Report
配送ルートを最適化する遺伝的アルゴリズムのパラメータ自動制御
Project/Area Number |
23500288
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Research Institution | Tokyo Denki University |
Principal Investigator |
鶴田 節夫 東京電機大学, 情報環境学部, 教授 (00366395)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
櫻井 義尚 東京電機大学, 情報環境学部, 助教 (30408653)
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Keywords | 遺伝的アルゴリズム / 強化学習 / パラメータ制御 / 適応的制御 / 最適化 / ヒューリスティクス / メタヒューリスティクス / 自律協調 |
Research Abstract |
本研究では、進化的手法などの先端的最適化手法の産業応用への障害である「パラメータ設定の困難」を解決などにより、最適化性能の改善を図る。このため、配送ルートの最適化を行う遺伝的アルゴリズムGAのパラメータ自動制御システム技術などの開発を目的とする。これには、遺伝的アルゴリズムの解析・改良手法の開発、強化学習によるパラメータ制御の自動学習、問題パターンの判別による最適方策の選択が重要である。またクラウドなどによる分散型の進化パラメータ自動設定システムの開発が必要になる。 24年度は探索オペレータの効率を考慮した上で、多点探索特性を利用して長期的に得られる報酬を最大化する強化学習型のGA方式を明確化した。また、この強化学習などに用いる各個体の進化・多様化やその停滞の状態を数理的に表現するためにエントロピーを定義した。これにより、GAの進化に必要な各個体の多様性維持の計測方法に関し理論的に整理した。以上、2件の研究成果を国際学会において発表した。 一方、1)蟻のフェロモンの揮発・残存のトレードオフによって最適経路を求めるアンツコロニーやその改良版であるカニングアンツ、2)リンカーニハン方式とGAを組み合わせたとも考えられる極めて高精度で高速な経路最適化を可能とするILK(繰り返しリンカーニハン方式)、3)PSOあるいは4)逆に悪いものを遺伝させて活用する免疫システムなど進化型知能の枠組みやそれに組込むヒューリスティクスの各種方式を調査した。 分散化に関しては、より効率的にパラメータ制御法を学習するための自律協調システムの開発と評価のプラットホームとして以下を開発した。すなわち、多数の分散コンピュータ上のGAプログラムの性能測定精度を落とさないように測定対象データを与え、測定結果を取出すためのポータルサーバを開発した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
遺伝的アルゴリズムのパラメータ制御手法に関し、高効率高信頼な学習方法や持続的進化を容易にする各個体の多様化のためのエントロピー理論を提案、解析し、その研究成果を国際会議において発表している。また、進化パラメータやその制御手法の性能計測・評価をクラウドなど分散コンピュータを用いて行うためのポータルを開発した。これを基に、次のステップへ向けて、効率で実用的なパラメータの学習を自律協調的に行うための進化型の分散知能システム技術の研究を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
高効率高信頼な強化学習型GAやエントロピーを用いたGAの個体の多様性維持理論を提案してきた。また、進化型知能の枠組みやそれに組込むヒューリスティクスの各種方式を調査した。そこで、これら各種方式を組み合わせ、そのパラメータを強化学習方式や多様性維持理論をベースに自動調整する方法を研究する。これにより研究課題である進化型知能アルゴリズムにおけるパラメータ制御方策のさらなる展開を試みる。 一方、進化パラメータやその制御手法の性能計測・評価を分散コンピュータを用いて行うためのクラウド指向ポータルを開発してきた。そこで、これをベースに、分散コンピュータ上のGAプログラム間の移住などを自律的に行わせるためのパラメータや方式を開発し評価する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本年度は、課題研究をさらに先に進めるにあたり、調査や準備をより深くじっくり行う必要が生じたため、国際学会発表や論文出版が予定よりは少なかった。このことや、円高などもあり、国際会議登録・論文出版費や旅費が想定より安くなった。このため、予算は約55万円を次年度に持ち越した。これは、国際会議登録・論文出版費や旅費および実験用プログラムの作成などの人件費として利用する予定である。
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Research Products
(3 results)