2012 Fiscal Year Research-status Report
アクティブ人工神経回路に基づく最適化システムプラットホーム開発
Project/Area Number |
23500291
|
Research Institution | Sendai National College of Technology |
Principal Investigator |
早川 吉弘 仙台高等専門学校, 情報システム工学科, 教授 (20250847)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中島 康治 東北大学, 電気通信研究所, 教授 (60125622)
|
Keywords | 高次結合ニューラルネットワーク / IDモデル / 負性抵抗 / 組み合わせ最適化問題 |
Research Abstract |
頻出の現実的問題であるが、計算コストの問題から難しいとされている組み合わせ最適化問題 (COP)の高効率解法を目指した、人工神経回路を使った解法システム研究において、これまで障害となっていたのは極小値の問題である。これを上手に解決可能な新提案のニューロンモデルを利用した、実用化システム実現の観点からアクティブ人工神経回路に基づく最適化システムプラットホーム開発を進めてきた。 前年度は、2次形式の問題評価関数では問題の適用範囲に限界があることから、高次への拡張を考慮した高次結合IDモデルを考案し、それらを主に扱ってきた。しかしながら、予想されていたことではあるが、扱いの複雑さからシステムサイズの増加に対する計算量の増加が顕著な問題となってきた。そのため、分担者を中心に離散時間システムの導入やIDL(逆関数遅延なし)モデルの検討など行い、一定の高速化の実現可能性を認めることが出来た。このことは大きな成果であり、論文と国内学会において発表をしてきた。一方、実装可能サイズの問題から考えても高次結合方式はメモリー限界を迎えやすく、適用限界の克服が必要であった。そこで今年度は複数のネットワークを用い役割分担をさせる別方式のモデルの検討も行った。その結果、巡回セールスマン問題という限られた課題ではあるが従来の単純な結合方式で計算が可能であることを示すことに成功した。この成功は、より大規模な問題適用の可能を示すものである。 以上2点が今期の主な研究実績である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究の目標であるスケールフリーで性能が保証されるシステムを目指しているが、この部分の検討を続けてきた。しかしながら、新しい手法の開発を考慮して、最終的にはより効果的なプラットフォームの実現を目指すこととしたため、使用モデルの確定について現時点では当初の計画よりやや遅れ気味とも考えられる。 一方で、本来の計画にある、PGPGUを用いた高速化研究については順調に成果を上げているため、全体としては順調に進んでいると認識している。
|
Strategy for Future Research Activity |
従来通りスケールフリーでの性能保証に関する検討も引き続き進める。 更に本ターゲットシステムでは、対象とされる問題に応じてヒューリスティックに必要な制約条件を見つけそれを適用する必要があり、なかなか困難なものである。従って、実用的なシステムとするには、利用者のこのヒューリスティックな処理の負担を軽減させるインターフェースが必要であり、この項目についても着手し始めているので、今後強力に推し進めていく予定である。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
最適なシステムモデルの検討・開発については前年度の知見を基に引き続き研究を進める予定である。スケールフリーでの性能保証に関する検討は、平成23年、24年度の結果を踏まえてこれまで同様に数値実験を中心に進めていく予定である。具体的 にはMPIプログラミングで用いてきたモジュラー型ニューラルネットワークのGPGPUへの適用とそのマルチ化である。 更に本ターゲットシステムでは、対象とされる問題に応じでヒューリスティックに必要な制約条件を見つけそれを適用する必要があり、この処理の負担を軽減させるGUI型の設計支援システムが必要でありこの開発も行う。これらに関する計算機環境構築・維持に研究経費を当てる予定である。
|
Research Products
(6 results)