2011 Fiscal Year Research-status Report
メディア報道が学術研究に与える影響の定量的調査研究
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23500303
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Research Institution | National Institute of Informatics |
Principal Investigator |
西澤 正己 国立情報学研究所, 情報社会相関研究系, 准教授 (00281585)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 研究成果 / 報道 / プレスリリース / 新聞 / 大学 |
Research Abstract |
我々はこれまでに学術研究の動向や分野間の関係、産学連携の状況を調査してきた。これらの研究の中では研究成果や研究動向の情報として学術論文や研究資金(科学研究費補助金等)のデータベースを利用してきた。しかし、社会一般に研究動向が広報されるのは新聞やニュース、インターネット等のメディアである。本研究では新聞記事、ニュース等の検索サービスを用い、一般報道とこれまで調査してきた学術動向との関係を調査研究する。これにより、報道が科学研究に与える影響やその報道の分野による違い等の状況、さらに研究成果の評価等の指針が得られるのではないかと期待する。本年度は、新聞やニュースリリースにどの程度の大学関連の記事があるのかを、「日経テレコン21」の検索サービスを利用して調べた。全国紙に関しては約7%程度が大学関連の記事であった。また、「プレスリリース」に関しては、5%弱の関連記事があった。さらに、プレスリリースに関しては、これまで開発した名寄せデータベースを用いて、大学別の出現頻度を2005年から2011までの年別に調べた。これによりプレスリリースに対する各大学の積極性が見えてきた。新聞記事に関しては、読売新聞の2011年版について予備調査をおこなった。プレスリリースと同様の手順を用い、記事種別の事件、事故、スポーツを除いた大学別の出現頻度を調べた。これらの結果は、平成24年度の情報知識学会で報告する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度はプレスリリースや新聞記事にどれほど「大学」関連の記事が含まれているのかを主に調査した。関連記事中の研究成果の抽出方法を探り、プレスリリースに付いてはおおむね方法の目処はついた。新聞記事に付いては、最も記事分類が詳細な読売新聞についての記事分類別の大学関連記事を調べることができた。しかし、これらニュース記事と論文等との関連については、本文中の記載を見る必要があり、ニュースリリースでは一部の本文記事しか得られていないので、試行段階にとどまっている。また、ニュース記事中の分野の特定も試行段階である。以上が達成度が2の理由である。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度以降は、分析精度の向上を目指し、トピックや分野の拡大、調査年次の拡大に努めるとともに、見出し記事からのトピック把握と手法の確立をおこなう。また、平成23年度と同様に科研費データベースやCJP、NCRJデータベースからの関連研究の課題や成果を抽出することに加え、Web上の報道発表等の資料の把握にも努め、検索による報道状況の補完として使用する。また、上記の研究計画では研究代表者(西澤)と連携研究者(孫)が作業を分担して行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成24年度についても、ニュース検索にかかわる予算を計上し、検索等の補助作業をおこなう補助員の雇用費用を計上する。また、読売新聞については、さらに2年程度の記事データを購入する予定である。国際会議への発表も予定しており、そのための旅費も使用する。
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Research Products
(2 results)