2012 Fiscal Year Research-status Report
メディア報道が学術研究に与える影響の定量的調査研究
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23500303
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Research Institution | National Institute of Informatics |
Principal Investigator |
西澤 正己 国立情報学研究所, 情報社会相関研究系, 准教授 (00281585)
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Keywords | 研究成果 / 報道 / プレスリリース / 新聞 / 大学 |
Research Abstract |
我々はこれまでに学術研究の動向や分野間の関係、産学連携の状況を調査してきた。これらの研究の中では研究成果や研究動向の情報として学術論文や研究資金(科学研究費補助金等)のデータベースを利用してきた。しかし、社会一般に研究動向が広報されるのは新聞やニュース、インターネット等のメディアである。本研究では新聞記事、ニュース等の検索サービスを用い、一般報道とこれまで調査してきた学術動向との関係を調査研究する。これにより、報道が科学研究に与える影響やその報道の分野による違い等の状況、さらに研究成果の評価等の指針が得られるのではないかと期待する。 本年度は、プレスリリースに掲載された大学関連の記事がどの程度全国紙に掲載されているのかを中心に調査した。朝日新聞の見出し記事とプレスリリースの見出し間で264件、読売新聞の見出し(機関抽出は付与キーワード)とプレスリリースの見出し記事間で506件の一致記事が見つかった。プレスリリースの発表機関セクタと記事種分類による分析では大学関係機関の「研究・開発」関連の記事の一致、すなわち、プレスリリースの新聞記事への採択が増えている結果となった。新聞社のデーによる違いが大きいため、さらなる確認が必要であり、新聞記事本文を用いた結果が必要である。また、プレスリリースと新聞記事の一致を発見するための技術、コサイン距離と掲載日時の差の最適化等、技術の向上も今後の課題となる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、プレスリリースに掲載された大学関連の記事がどの程度全国紙に掲載されているのかを中心に調査した。調査は朝日新聞(2007-2011)、読売新聞(2007-2011)、毎日新聞(2009-2011)についておこなった。プレスリリースと新聞記事の内容の同定が、関連調査については重要であるが、コサイン距離や、記事間の掲載日時の差を用いて、ある程度の手法の確立が出来たが、最終的には人力の確認が必要であり、見出しー見出し間、新聞本文ープレスリリース見出し間、本文ー本文間の確認には時間がかかり、まだすべてを終わることができていない。以上が達成度が2の理由である。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度以降は、分析精度の向上を目指し、プレスリリース発表の元となる研究成果の出典を抽出することにより、分野や報道発表に至る掲載論文誌の関係を調査していく。また、調査年次や新聞社の拡大に努めるとともに、見出し記事からのトピック把握と手法の確立もおこなう。また、科研費データベースやCJP、NCRJデータベースからの関連研究の課題や成果を抽出することに加え、Web上の報道発表等の資料の把握にも努め、検索による報道状況の補完として使用する。 また、上記の研究計画では研究代表者(西澤)と連携研究者(孫)が作業を分担して行う
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度についても、ニュース検索にかかわる予算を計上し、検索等の補助作業をおこなう補助員の雇用費用を計上する。また、毎日新聞については、さらに2年程度の記事データを購入する予定である。国際会議への発表も予定しており、そのための旅費も使用する。
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Research Products
(2 results)