2011 Fiscal Year Research-status Report
協調投影によるМRディスプレイを用いたプロダクトカラーのデザイン支援システム
Project/Area Number |
23500318
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Research Institution | Setsunan University |
Principal Investigator |
堀井 千夏 摂南大学, 経営学部, 准教授 (00273863)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 強調投影 / 複合現実感ディスプレイ / 移動ロボット / プロダクトカラー / デザイン支援 |
Research Abstract |
本研究課題では,移動ロボットに連結したプロジェクタとカメラを用いて実物体の全方位からフレキシブルに協調投影する新しい複合現実感(MR:Mixed Reality)ディスプレイを構築し,このディスプレイを用いて近年にみられる製品の多品種化には欠かせないプロダクトカラーについてのデザイン支援システムを提案する.本システムでは,販売促進の観点から3つのカラー要素に基づいてデザイン候補を自動算出し,実製品の現実感を保持したまま最小限のプロジェクタの協調動作により高品質な色変更を仮想的に実現する.視点移動や多人数での情報共有,インターネットを用いた遠隔操作など,効率・効果的なプロダクトデザインを期待することができる. この研究目的に対して,初年度である今年度は複合現実感ディスプレイの構築を目指して以下の3項目について実施した.(1)プロジェクタとカメラの幾何学・光学キャリブレーション:プロジェクタとカメラの幾何学キャリブレーションとしてグレイコードパターン法を用いて,実空間およびプロジェクタとカメラの3次元形状と座標関係の取得した.また,プロジェクタとカメラに光学キャリブレーションとして実物体にプロジェクタで32色の基調光を投影した結果をカメラで撮像し,実物体に対するプロジェクタの投影光とカメラの関係を導出した. (2)高品質な色再現のためのプロジェクタの投影像の推定:(1)で求められた実物体に対するプロジェクタの投影光とカメラの関係を用いて,色再現するために必要な投影像の推定式を算出した.(3)移動ロボットの制御による複数プロジェクションシステムの試作システムを構築:軽量・小型の移動ロボットが走行するために必要となるプロジェクタと小型カメラの環境を整備し,プロジェクタの投影が必要な位置に応じてPCからロボットへ移動距離を無線通信するための制御モジュールについて実施した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
海外・国内における自然災害の影響で,移動ロボットを用いた複合現実感ディスプレイを構築するために必要な一部の物品について調達に支障があった.このため,平成23年度(今年度)で予定をしていた実機を用いた環境構築の一部については平成24年度以降の購入を予定しており,この物品については入手後の実施となる.ただし,複合現実感ディスプレイを実装するための手法や各モジュールについては研究計画通りに遂行されていることから,おおむね研究は順調に進展していると言える.
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は移動ロボットを用いた複合現実感ディスプレイ構築の基盤となる部分について研究を行った.平成24年度以降は,このディスプレイ環境を用いてプロダクトカラーのデザイン候補の導出とデザイン支援システムの構築,システム評価について研究を行っていく予定である.この研究計画に基づいて平成24年度以降の研究費は,海外・国内における自然災害の影響で今年度に調達が一部困難であったディスプレイ構築のための物品(ロボット関連,カメラレンズ等)の購入に加えて,平成24年度に研究を行うデザイン支援システム構築のための入出力装置の購入,最終年度に行うシステム評価としてのアンケート調査費,これらの研究についての研究調査費・成果発表費として使用する予定である.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
今年度に行った移動ロボットを用いた複合現実感ディスプレイ構築の研究に引き続き,次年度はこのディスプレイ環境を用いたプロダクトカラーのデザイン候補の導出とデザイン支援システムの構築について研究を行っていく予定である.具体的には,プロダクトカラー候補の自動算出,色空間へのマッピングと絞り込み,複合現実感ディスプレイに対するプロダクトカラーのデザインモジュールの統合について行う予定である.この研究内容に基づいて次年度の研究費は,海外・国内における自然災害の影響で今年度に調達が一部困難であったディスプレイ構築のための物品(ロボット関連,カメラレンズ等)の購入に加えて,平成24年度に研究を行うデザイン支援システム構築のための入出力装置の購入,およびこの研究についての研究調査費・成果発表費として使用する予定である.
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