2012 Fiscal Year Research-status Report
協調投影によるМRディスプレイを用いたプロダクトカラーのデザイン支援システム
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23500318
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Research Institution | Setsunan University |
Principal Investigator |
堀井 千夏 摂南大学, 経営学部, 教授 (00273863)
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Keywords | 協調投影 / 複合現実感ディスプレイ / プロダクトカラー / デザイン支援 / 移動ロボット |
Research Abstract |
本研究課題では,移動ロボットに連結したプロジェクタとカメラを用いて実物体の全方位からフレキシブルに協調投影する新しい複合現実感ディスプレイを構築し,このディスプレイを用いてプロダクトカラーについてのデザイン支援システムを提案する.本システムでは,販売促進の観点から3つのカラー要素に基づいてデザイン候補を自動算出し,実製品の現実感を保持したまま最小限のプロジェクタの協調動作により高品質な色変更を仮想的に実現していく.視点移動や多人数での情報共有,インターネットを用いた遠隔操作など,効率・効果的なプロダクトデザインを期待できる.この研究目的に対して,初年度(平成23年度)は複合現実感ディスプレイの構築としてプロジェクタとカメラの幾何学・光学キャリブレーション、高品質な色再現のためのプロジェクタの投影像の推定、移動ロボットの制御による複数プロジェクションについて実施した.これに引き続き今年度は,プロダクトカラーのデザイン候補の導出として既存の画像データを用いて感性キーワードに対するカラーリストを算出し,このリストからカラーを色空間にマッピングしてデザイン開発者とシステムの対話からカラー候補を絞り込んでいく手法について提案および実施した.具体的には以下の2項目について実施した. (1)プロダクトカラーに必要な3要素に対するカラーデータベースの構築 「色の特性」「トレンドカラー」「プロダクトコンセプト」についてカラーリストを自動算出してデータベース化し,人間の色感覚に近いL*a*b色空間にカラーマッピングする手法を提案した. (2)プロダクトカラーのデザイン候補の絞り込み デザイン開発者や市場調査による消費者の要望をシステムとの対話により感性キーワードをカラーパラメータとして算出し,このパラメータに対してカラーマッピングされた色空間を絞り込む手法を提案した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題の計画では初年度に複合現実感ディスプレイの構築を行い,2年目である本年度にはこのディスプレイ環境を用いたプロダクトカラーのデザイン候補の導出とデザイン支援システムの構築について行う予定としており,現時点でこの予定通りに研究を遂行することができていることから,おおむね順調に進展していると言える.ただし,初年度に移動ロボットを購入する予定であったが,海外・国内における自然災害の影響で,一部の部品を調達することができなかった.しかし,この部品についても今年度に入手できたので研究上に遅れや支障は起きていない.
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題では,初年度に移動ロボットを用いた複合現実感ディスプレイ構築の基盤となる部分について実施し,今年度は,このディスプレイ環境を用いてプロダクトカラーのデザイン候補の導出とデザイン支援システムの構築について研究を行った.最終年度となる次年度では,この両システムを統合し,デザイン開発者の操作パネルにプロダクトカラー候補の一覧や絞り込み内容を表示するためのユーザインタフェースを構築し,操作パネル上で仮想的なプロダクトカラーの提示を実現する.また最後に,プロダクトカラーの算出結果およびシステムの色再現性について評価を行う予定である.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
最終年度では,移動ロボットを用いた複合現実感ディスプレイとデザイン支援システムを統合し,デザイン開発者用の操作パネルや仮想的なプロダクトカラーの提示に向けたユーザインタフェースを構築する.このため,次年度の研究費は,この研究を遂行するために必要なシステムの統合環境や操作パネル,提示システムなどの購入に加えて,この研究についての成果発表費として使用する予定である.
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