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2011 Fiscal Year Research-status Report

異なる課題要求をもつ視覚・運動課題における対象物の把持位置の乖離に関する研究

Research Project

Project/Area Number 23500325
Research InstitutionUniversity of Fukui

Principal Investigator

片山 正純  福井大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (90273325)

Project Period (FY) 2011-04-28 – 2014-03-31
Keywords把持運動 / 把持位置 / 対象物 / 課題要求
Research Abstract

我々は,対象物の把持位置は持ち上げ課題とつまみ課題で異なっていることを以前報告した.持ち上げ課題は対象物を把持してテーブルから持ち上げる課題であり,つまみ課題は対象物を把持するが,持ち上げない課題である.しかし,つまみ課題は,持ち上げないためにどの位置を把持しても課題に失敗することが無いため,課題への注意の差が原因である可能性もある.そこで,本研究では持ち上げ課題とつまみ課題に着目し,タスクチェンジの実験パラダイムを新たに構築した.タスクチェンジとは,課題の実行中にタスクチェンジの合図が与えられると他の課題に切り替えて実行することである.例えば,持ち上げ課題からつまみ課題へのタスクチェンジを考えると,持ち上げ課題では重心を常に把持しているため,つまみ課題での把持位置がどこでもいいならタスクチェンジの合図があっても重心を把持するはずである.このため,つまみ課題への注意が低いなら,実行している課題に関係なく,この実験パラダイムでは常に重心を把持するはずである.一方,つまみ課題においても何らかの基準で把持位置を決定しているなら,タスクチェンジの合図により把持位置を切り替えるはずである.この観点から,同種の運動課題である持ち上げ課題とつまみ課題の把持位置計算の独立性について調べた.この結果,つまみ課題から持ち上げ課題へ,および持ち上げ課題からつまみ課題への両方向のタスクチェンジにおいて把持位置を明確に切り替えていた.さらに,課題要求に応じて,運動中のフィードバック修正の有無も切り替えていた.これらの結果は,持ち上げ課題とつまみ課題のそれぞれの把持位置は脳内で独立に計算されており,課題要求に応じて切り替えていることを示唆している.

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

1: Research has progressed more than it was originally planned.

Reason

今年度には,タスクチェンジの実験パラダイムの新たに構築し,この実験パラダイムにより持ち上げ課題とつまみ課題のそれぞれの把持位置計算の独立性について調べた結果,興味深い結果が得られた(平成23年度の研究目標).また,選定に時間を要したが平成24年度に使用する視線計測装置Eyelink II(SR Research Ltd.)を導入した.さらに,平成24年度以降の研究目標(視覚メカニズム,学習レベル)についても実験方法を検討し,予備的実験を開始した.

Strategy for Future Research Activity

1) 前年度に購入した視線計測装置のオプションと大型ディスプレイを購入し,計測環境をセットアップする.さらに,解析方法を検討する.2) 従来研究と同様のノーマル条件,視野を制限した条件(中心視条件と周辺視条件)における把持位置を計測する.さらに,把握運動(到達運動,把持運動)および視線も同時に計測し,選択した把持位置との関連性について解析する.以上より,それぞれの課題実行に関与する視覚メカニズムの差異について明らかにする.3) 普段使い慣れた指での把持(慣れ条件)と使い慣れていない指での把持(不慣れ条件)において把持位置を計測し,慣れ/不慣れな状態と把持位置の関連性について調べる.さらに,不慣れ条件での把持の訓練過程において把持位置がどのように変化するかを調べることにより,学習レベルと把持位置の関係についても調査する.

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

昨年度購入した視線計測装置Eyelink IIのオプションと大型ディスプレイを購入してアップグレードし,計測環境をセットアップする.視線計測装置のオプションに関しては前年度に選定が間に合わなかったため,今年度選定して導入する.さらに,キャリブレーションおよび視覚提示用の大型ディスプレイ(NEC MultiSync LCD-P521を予定)を導入する.

  • Research Products

    (5 results)

All 2011

All Presentation (4 results) Book (1 results)

  • [Presentation] 異なる課題要求を持った把持運動課題の把持位置の乖離2011

    • Author(s)
      藤田貴大,中山健,片山正純
    • Organizer
      第34回日本神経科学大会
    • Place of Presentation
      横浜,日本
    • Year and Date
      2011年9月14日
  • [Presentation] 把握運動中のヒト腕姿勢選択のための最適化モデル2011

    • Author(s)
      片山正純,Jiaole Wang, Minglong Xu
    • Organizer
      第34回日本神経科学大会
    • Place of Presentation
      横浜,日本
    • Year and Date
      2011年9月14日
  • [Presentation] Human Object Recognition Based on Internal Models of the Human Hand2011

    • Author(s)
      Masazumi Katayama, Tatsuya Kurisu
    • Organizer
      The 3rd International Conference on Cognitive Neurodynamics
    • Place of Presentation
      北海道,日本
    • Year and Date
      2011年6月9日
  • [Presentation] Grasp positions selected in grasping tasks with different task-demands: Switching by unexpected task-change2011

    • Author(s)
      Masazumi Katayama, Takeshi Nakayama, Takahiro Fujita
    • Organizer
      The 21st Annual Conference of the Japanese Neural Network Society
    • Place of Presentation
      Okinawa, Japan
    • Year and Date
      2011 Dec. 15
  • [Book] Optimal model for selecting human arm posture during reaching movement. In Advances in Cognitive Neurodynamics (II)2011

    • Author(s)
      Jiaole Wang, Masazumi Katayama (Rubin Wang, Fanji Gu, eds.)
    • Total Pages
      453-458 (756)
    • Publisher
      Springer

URL: 

Published: 2013-07-10  

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