2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23500328
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
田中 正之 京都大学, 野生動物研究センター, 特任教授 (80280775)
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Keywords | 短期記憶 / マンドリル / 動物園 / 視覚的選好性 / 発達 / 系列学習 |
Research Abstract |
霊長類の中でも際立って色彩豊かなマンドリルの顔に着目して、彼らの視覚的選好性の調査を行った。対象としたのは、京都市動物園で飼育されている大人オス1、大人メス1、子どもメス2の計4個体のマンドリルと、コントロール群としてチンパンジーの大人4個体、テナガザルの大人1個体であった。方法は、「自由選択課題」として視覚的選好性を測るために開発したもので、これまでにチンパンジーとテナガザルで用いられた手続きであった(Tanaka 2003, 2007; Tanaka and Uchikoshi 2010)。タッチモニター上にマンドリルと同属のドリル、および近縁なオナガザル科4属(マンガベイ属、ロフォセブス属、ヒヒ属、ゲラダヒヒ属)のサルの写真、計6枚を12のマトリクスのうちのランダムな位置に提示した。被験者はいずれの写真に触れても同じフィードバックが与えられた。つまり、選択した写真のみが画面中央に拡大して5秒間提示されて、正反応を示すチャイムが鳴り、約40%の確率で食物報酬を与えられた。1試行中に2回の選択機会があり、2回目の選択機会では1回目に選択した写真は選択肢から除かれた。30試行からなるセッションを2回おこない、1セッション中に用いる各種(属)の写真は毎試行すべて異なるものを用いた。また各セッションにおける写真の組み合わせはすべて入れ替えた。結果は、マンドリルの参加個体で,マンドリルの選択数が他のサルよりも多かった個体は1個体だけで、しかもその1個体の選択比率もチャンスレベルより有意に高いわけではなかった。コントロール群のチンパンジーでもこの傾向は同様であったが、テナガザル1個体のみマンドリルの選択比率が他の種類と比べて有意に高い結果となった。これらの結果から、マンドリルの色彩豊かな顔は、自由選択課題において有意に選択されるほど「顕著な」刺激ではないことが示唆された。
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Research Products
(11 results)
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[Presentation] マンドリルの顔は本当に目立つのか?2013
Author(s)
田中正之, 岩橋宣明, 水野章裕, 松永雅之, 伊藤二三夫, 伊藤英之
Organizer
第29回日本霊長類学会・日本哺乳類学会2013年度合同大会
Place of Presentation
岡山理科大学(岡山市)
Year and Date
20130906-20130909
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