2011 Fiscal Year Research-status Report
離散及び連続変量の行動計量分析における漸近理論の適用
Project/Area Number |
23500341
|
Research Institution | Otaru University of Commerce |
Principal Investigator |
小笠原 春彦 小樽商科大学, 商学部, 教授 (70271731)
|
Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
|
Keywords | 行動計量 / 漸近展開 / エッジワース展開 / キュムラント / 信頼区間 |
Research Abstract |
1.項目反応理論(IRT)における漸近展開の応用: 漸近展開の方法として、まずパラメータの推定量を多項分布の標本割合の関数として表し、そのテーラー展開より漸近キュムラントを求めることを行った。次にこれらをエッジワース展開またはコーニッシュ-フィッシャー展開において用いた。この場合、パラメータの推定量は標本割合から求められるが、繰り返し計算によって得られたものであり、微分を0とする一次条件に対応する標本割合の陰関数であることを利用した。具体的成果としてIRTにおけるリンク係数の推定量の分布の漸近展開を次により得た。 共通項目・異集団リンクデザインにおけるリンク係数の分布の漸近展開を1/nまでの次数について行った。推定量の1組は基準集団の尺度への変換における勾配と切片の係数である。リンクのために項目反応モデルを仮定したが、モデルの誤特定がある場合とない場合のいずれにも当てはまる展開を行った。さらに、ステューデント化した推定量あるいは枢軸統計量の分布の漸近展開を導出した。数値例として2値データに対する2パラメータロジスティックモデルを用いたモーメント法によるリンク結果をシミュレーションとともに示した。2.離散変量が介在するデータにおける標本相関係数の分布の漸近展開: 標本四分相関係数は2×2の分割表における標本割合の関数と考えられ、4つのカテゴリーの多項分布から得られたと捉えることができる。標本多列相関係数の場合は2変量正規分布の尤度を直接用いることになるので、推定量の漸近展開は、推定量を対数尤度の導関数に関して展開した結果から求めた。そのために、まず対数尤度の標本導関数について推定量の多項式を含むテーラー展開を行い、その結果から推定量の展開を逐次反転させて求めた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画に関連する有意義な研究成果を得た。
|
Strategy for Future Research Activity |
当初の研究計画を継続して推進する。次年度使用額が0でないのは旅費等の使用額が見込額よりもやや下回ったことによる。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当初の研究計画にほぼ対応する、支払請求書に記載した所要見込額を使用する予定である。
|
Research Products
(13 results)