2013 Fiscal Year Annual Research Report
離散及び連続変量の行動計量分析における漸近理論の適用
Project/Area Number |
23500341
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Research Institution | Otaru University of Commerce |
Principal Investigator |
小笠原 春彦 小樽商科大学, 商学部, 教授 (70271731)
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Keywords | 漸近展開 / 構造方程式モデリング / カイ自乗分布 / 最小自乗解 / 適合度 |
Research Abstract |
(1)構造方程式モデリングにおける適合指標の分布の漸近展開 共分散構造分析における、正規理論対数尤度比カイ自乗統計量はモデルの適合度を検定するための統計量として広く用いられている。すなわち、観測変数が正規分布する場合は当統計量はデータの自由度からモデルの自由度を減じた値の自由度のカイ自乗分布に漸近的に従う。この統計量は標本分散共分散の関数とみなすことができる。一方、現実のデータは正規分布に従わないことが多いが、非正規分布の下では当統計量は独立な自由度1のカイ自乗分布の重み付の和に漸近的に従うことが知られている。さらに次の次数の漸近展開を行うために、カイ自乗統計量を分散共分散の4次の導関数の項までテーラー展開し、各導関数を母集団値で評価した。これらの導関数(偏微分)の導出のために、Ogasawara (2007)の結果をさらに拡張し、一般的なk次の偏微分に関する補題を用意した。 (2)共分散構造分析における各種最小自乗解の分布の漸近展開 各種の最小自乗解は、一般化のため制約付の推定量であると仮定した。これによって、例えば共分散構造分析の一種とみなされる因子分析における回転解をその特殊ケースとして扱った。漸近展開の方法は、4次までの漸近キュミュラントを用いた、通常のエッジワース展開によるが、これらの漸近キュミュラント自体も解析的に求める意義が多い。GLS解はバイアスが大きいことが経験的に知られているが漸近バイアスを求めることにより、その代数的な説明を行った。
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Research Products
(14 results)