2011 Fiscal Year Research-status Report
時空間上の大規模履歴の自己組織化による状態遷移確率モデルの構築
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23500344
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
関 庸一 群馬大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (90196949)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | データマイニング / 自己組織化 / 統計数学 / 多項ロジットモデル / 医療保険サービス |
Research Abstract |
本年度は3年間の研究の第1年度として、以下の可変自己組織化マップの実用算法の開発と、各種データの整備を行った。1、可変自己組織化マップの開発については、六角格子マップ空間での実用算法を確立するため収束アルゴリズムを改良し、S言語の環境上で実用プログラムの開発を進め、パラメータ設定法を検討した。クレジットカード利用履歴データに対し提案法による推定事例を与え、通常の自己組織化マップによる結果と比較し、時系列変化の可視化について良好な結果を得ている。2、データ整備とその基礎解析としては、主に以下の3つを行った。まず、(1) 地方都市での交通手段利用データとして、桐生市民から無作為抽出アンケートによる2267名の移動行動の記録を利用して、利用交通手段と移動先の選択に関する多項ロジットモデルを推定し、交通機関利用の効用構造を明らかにした。(2) 自治医科大との共同研究において全国規模の健康保険レセプトデータのデータベース化に協力し、このうち群馬県でのデータに対し、GIS (地理情報システム)を利用して住所情報を座標情報に変換し、受診履歴のデータベース化を検討している。この途中成果を利用し、疾病率や病院選択について基礎解析を行った。(3) 数年間に渡る全国の電子基準点データをクリーニングすることで整備し、時系列データとしての地盤変動パタンを提案方法論により解明することを目指している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
可変自己組織化マップの実用算法については、これから実証研究を進める中で改良が必要とは思われるが、概ね開発ができた。各種データベースの整備については順調に進捗し、基礎解析を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度、科学研究費 基盤研究(A)「地域医療データバンクの活用による地域医療需要と医療資源からみた地域医療の効率化」(平成23-26、梶井栄治(自治医科大学)、課題番号23249027)が採択され、その研究分担者にもなった。この研究により整備される地域医療データバンクのデータも利用して、モデルの構築とその解析の方法論の研究を進める。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
助成経費に14,242円の残高が生じた。次年度はこれと合わせた助成額を、データベースの整備および、そのための計算機環境整備、調査および研究成果の発表のための経費に用いる予定である。
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