2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23500355
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
青木 敏 鹿児島大学, 理工学研究科, 准教授 (90332618)
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Keywords | 実験計画法 / マルコフ連鎖モンテカルロ法 / イデアル / 一部実施計画 |
Research Abstract |
多因子の一部実施計画実験で、各因子の水準組合せごとに繰り返しのない頻度が観測値として得られる場合に、統計モデルの当てはまりをマルコフ連鎖モンテカルロ法により数値的に評価する、という接近法の研究を行った。その際、連結なマルコフ連鎖を構成するために必要な推移基底(マルコフ基底)が、トーリックイデアルの生成系として代数的に特徴づけられる点が重要である。当該年度は特に、無向グラフから定義されるイデアル(切断イデアル)に対応する実験計画が、2水準のレギュラーな一部実施計画に対応することを明らかにした。具体的には、切断イデアルの生成系は、2水準のレギュラーな一部実施計画のサブクラスのマルコフ基底に対応し、このクラスは、無向グラフの閉路空間と、レギュラー計画の定義関係との関係により、特徴付けることができる。これらの結果により、切断イデアルに関する既存の結果を、対応する一部実施計画のマルコフ基底の性質に結びつけることが可能である。実際、代数学においては、切断イデアルは比較的新しい研究対象であり、その性質は徐々に解明されている最中である。最も重要な結果は、切断イデアルの生成系が2次生成であるための必要十分条件であり、この結果から、マルコフ基底が2次生成であるための十分条件として、一部実施度が 1/2 および 1/4 の計画であること、という、従来知られていなかった結果が得られた。これらの結果は現在、論文に投稿中であり、また、日本数学会、統計関連学会連合大会等で報告を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題の目的のひとつは、一部実施計画のうち、代数的に性質が知られているものに対応する計画を完全に特徴づけることであるが、2水準の一部実施計画については、最も重要となるレギュラーな一部実施計画について、非常に強い結果を導く事ができた。
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Strategy for Future Research Activity |
2水準一部実施計画と切断イデアルの関係の考察をさらに進めて、3水準以上の多水準計画における検定問題の自然なモデリングと、対応するイデアルの関係を明らかにする。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
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