2011 Fiscal Year Research-status Report
生物資源評価、環境リスク評価のための時空間モデリングと応用
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23500356
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
南 美穂子 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (70277268)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柴田 里程 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (60089828)
清 智也 慶應義塾大学, 理工学部, 講師 (20401242)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 国際研究者交流 アメリカ合衆国 / 国際情報交流 アメリカ合衆国 |
Research Abstract |
生物資源評価のための時空間的モデリングの研究は、全米熱帯マグロ類委員会の Cleridy Lennert-Cody博士らと共同で行い、南は主に統計理論・統計手法について担当した。資源量増減と体長分布による水域の分割問題では現時点での研究内容を論文にまとめ投稿中である。また、2012年8月に神戸で開催される国際計量生物学会で共同研究者が発表の予定である。加えて、各小水域ごとの資源量の増減を表現する新たな統計モデルの開発のために、他の解析上の複雑な要素が少ない、混獲が生じる確率の小水域ごとの時間的変動の推定問題に対するモデルを開発中である。 米国立生態解析統合センター(NCEAS、http://www.nceas.ucsb.edu/)に採択された「生態学における非線形モデリングのためのソフトウェア(OpenBugs, ADMB, およびRのパッケージ)の比較検討プロジェクト」では会合にインターネットを通じて参加し、フクロウの餌を乞う行動のデータに対する混合効果モデルの提案と解析結果の文書化に参加した。 環境リスク評価のための時空間的モデリングの研究では、周期的3次平滑化スプライン法の数理的特徴の研究を発展させ、周期的スプライン基底を用いたテンソル・プロダクト法により季節によって変動する日次変動などを解析する統計手法を提案した。また、その手法を用いて南極昭和基地で観測された気象データを解析した。結果の一部はアメリカ合同統計学会、および、科研費シンポジウム「生体数理・社会数理の統計科学」で発表を行った。 国立極地研究所・統計数理研究所の研究者と南極における大気中の粒子状物質やCO2濃度の変動を解析するプロジェクト研究に継続して参加し、大気中の粒子状物質の粒径ごとの粒子数データの解析、CO2データの解析を卒業研究生、大学院生と共に行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
生物資源評価や環境リスク評価において、時間的・空間的な特徴を適切に把握し、より精度の高い解析をするための統計モデルの研究では、現時点での成果を論文にまとめ、学会などでも発表の予定である。さらに、改良法の提案のために先行研究を調べ、改良法のアイデアが概ねできている。環境リスク評価のための時空間的モデリングの研究では、周期的3次平滑化スプライン法の数理的特徴の研究を発展させ、周期的スプライン基底を用いたテンソル・プロダクト法により季節によって変動する日次変動などを解析する統計手法を提案している。
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Strategy for Future Research Activity |
生物資源評価のための時空間的モデリングの研究では、各小水域ごとの資源量の増減を表現する新たな統計手法の開発のために、他の解析上の複雑な要素が少ない、混獲が生じる割合の小水域ごとの時間的変動の推定問題において新たな手法を開発し、クロトガリザメの混獲データの解析を行う。 米国立生態解析統合センター(NCEAS、http://www.nceas.ucsb.edu/)に採択された「生態学における非線形モデリングのためのソフトウェア(OpenBugs, ADMB, およびRのパッケージ)の比較検討プロジェクト」ではこれまでの結果の文書化に参加する。 環境リスク評価のための時空間的モデリングの研究では、周期的スプライン基底を用いたテンソル・プロダクト法に関して、推測結果の評価や平滑パラメータの推定法、数理的特徴などの解析を行う。また、南極昭和基地で観測された様々な気象データにおける日次変動の季節による変化を解析する。さらに、他の気象条件の影響を解析するモデルにこのモデルを組み入れることにより、より適切な影響評価を行う。 国立極地研究所・統計数理研究所の研究者達と南極における大気中の粒子状物質やCO2濃度の変動を解析するプロジェクト研究にも継続して参加し、卒業研究生、大学院生とともに研究を進める予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
共同研究者である 全米熱帯マグロ類委員会のCleridy Lennert-Cody博士と関連研究者を招聘する予定であったが、東日本大震災の影響で来日できなかった。当該年度に来日できなかった Cleridy Lennert-Cody博士を次年度に招聘し、生物資源評価のためのモデルの研究を行う。また、生物資源評価、および、時空間モデルのための平滑手法に関する研究で広く知られた University of Bath の Simon Wood 教授、オーストラリア、OCSIROの Mark Bravington 博士、ノルウェー、University of Bergenの Hans Skaug 教授も招聘し、研究交流を行う。データ解析、プログラミングに大学院生をアルバイトで雇う。データ解析用のデスクトップパソコンを購入する。
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Research Products
(2 results)