2012 Fiscal Year Research-status Report
データの高度視覚化のためのグラフ表現法とグラフ表示環境に関する研究
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23500358
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
山本 義郎 東海大学, 理学部, 教授 (80301943)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
飯塚 誠也 岡山大学, 環境学研究科, 講師 (60322236)
藤野 友和 福岡女子大学, 文理学部, 講師 (40364161)
久保田 貴文 統計数理研究所, リスク解析戦略研究所, 特任助教 (30379705)
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Keywords | 統計グラフ / HTML5 / 統計環境R / Visualization |
Research Abstract |
本研究は、近年のPCおよびWebの表示機能、対話的機能の向上に対応した、データの高度視覚化のためのグラフ表現法についての研究を行っている。スマートフォン、Pad端末の普及も進み、現在のOSとブラウザを含んだアプリケーションの垣根は低くなっている。しかしながら、表示環境の差異により、グラフの見え方に制限がかけられることとなる点も有り、HTML5によるアプリケーション開発においては留意事項が多い。その特性を把握したシステムおよびグラフ表現法について4つの研究分野としてとらえ、研究分担者がそれぞれ担当している。平成24年度は個別に研究を行ってきた共同研究者における問題意識の共有から始め、研究者間の情報交換を緊密に行える環境を整えた。個別の研究についての平成24年度の実施状況は以下の通りである。 (1)「インタラクティブグラフ・ダイナミックグラフに関する研究」として、山本と藤野は2次限グラフとしてSVGおよび3次元グラフとしてX3Dを用いた統計グラフに関して研究を行ない、基本的な統計グラフについてプロトタイプを作成した。 (2)「探索的データ解析のための統計的グラフ表現法に関する研究」については、山本がデータマイニング結果の表示方法について研究を行った。 (3)「統計解析ソフトにおけるグラフ表現とその実装に関する研究」については、全員が統計グラフについてインタラクティブ性を考慮した活用法について、Rにおける開発を行っているものについて当たらな方法を試行した。 (4)「Web におけるグラフ表現とその実装に関する研究」については、HTML5を用いたグラフ表現について各自調査を行い、その情報交換を行った。 これまでの結果の一部のまとめとして、共立出版のRで学ぶデータサイエンスから「統計データの視覚化」として書籍をまとめ、平成25年5月に出版されるはこびとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成23年度は震災後の対応により、年度の後半になるまで出張などの予定が立てにくく、研究打ち合わせがあまりできなかった。その影響で、平成24年の予定を立てるのが遅くなった。平成24年度中にはフォローできるよう、研究計画の練り直しを行ったが、当初予定したスケジュールには到達できていない。 全体としては研究の目的を達成できる見通しはたっている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度に得られた結果を基にして、平成25年度は最終年度としてのまとめを意識し、実際のシステムの構築を通して、共同研究を遂行する。個別の研究内容の計画および方法は以下の通りである。 (1)「インタラクティブグラフ・ダイナミックグラフに関する研究」については、山本と藤野により、HTML5による統計グラフについてのプロトタイプを作成する。 (2)「探索的データ解析のための統計的グラフ表現法に関する研究」については、山本・藤野が平成24年度までの成果であるデータマイニング手法の視覚的表示法について研究を継続する。更に、これらの方法を実現するシステムを、HTML5およびRをベースに開発しリレーショナル・データベースとの接合を図る。 (3)「統計解析ソフトにおけるグラフ表現とその実装に関する研究」については、飯塚と山本とで、R におけるインタラクティブグラフとして、iplotsなどのライブラリ、Shinyなどの環境を利用した表現について情報交換を行い、有効な方法を提案する。 (4)「Webにおけるグラフ表現とその実装に関する研究」としては、インタラクティブグラフを実現するためのWebテクノロジーについてHTML5による方法を中心に、より実現可能な方法について実際にシステム構築を行う。 これらの成果は、Handbook of Data Visualization (Springer Handbooks of Computational Statistics) の第2版(2014年に出版が予定されている)へ反映を予定している。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
昨年度にHTML5への対応などで当初計画していたソフトウェア購入を平成25年度にした方が研究への活用が図れると判断し、購入を見合わせたグラフ作成ソフトウェアについて平成25年度購入を計画している。 それ以外は、基本的に当初の計画通りの研究費の使用を計画しており、国内における研究打ち合わせおよび国内学会、国際会議での研究成果の報告を行う。
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