2012 Fiscal Year Research-status Report
行列型パラメータをもつ統計的モデルに対するベイズ推定理論と応用についての研究
Project/Area Number |
23500361
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
津熊 久幸 東邦大学, 医学部, 講師 (50424685)
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Keywords | 多変量推測理論 / 統計的決定理論 / ベイズ推定 / ミニマクス推定 / 縮小推定 |
Research Abstract |
科学技術の急速な発展にともない,地球観測データやゲノム関連データ,画像データのような大規模データを解析する必要性が高まり,複雑なデータ構造を柔軟に表現するための統計的モデルと,より体系的で統一的な多変量推測統計学の理論構築が喫緊の課題となっている。これらを背景に本研究では,行列型配列データを解析するうえで必要となる行列型パラメータをもつ統計的モデルに対する推測方法の開発,特にベイズ推定手法による新たな方法論を提供することを目標にしている。今年度は分布の尺度をあらわす共分散行列に関連する推測問題を中心に研究をおこない,以下のような結果を得た。 1. 共分散行列のミニマクス推定量は,下三角行列全体からなる変換群について不変な推定量を考えることによって発見された。そのミニマクス推定量より良い推定量は,直交行列全体がなす変換群について不変な推定量から得られている。これに対して本研究では,下三角行列全体がなす群の部分群について不変な推定量を考え,この不変推定量の中から2乗損失関数のもとでミニマクスになる推定量を導出した。また,そのミニマクス推定量を改良することにも成功した。 2. 共分散行列の逆行列は精度行列と呼ばれるが,平均行列の経験ベイズによる推定問題が精度行列の推定問題に帰着するなど,統計的推測において重要な役割を演じる。この精度行列の推定問題をエントロピー損失関数のもとで考え,下三角行列全体がなす群の部分群について不変な推定量を考察した。不変推定量の中からミニマクス推定量を導出し,この推定量の改良に成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
いくつかの推定問題において,推定量として好ましい性質をもつ推定量を明示的に構成することができたため。また,それらの結果が新たな研究領域の方向性を示唆しており,研究計画の妥当性がある程度確認できたため。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画通り研究を遂行する予定である。具体的には,最適性をもつベイズ推定量を構成するための事前分布の特徴づけや,より複雑なモデルに対するベイズ推定手法の構築など目指して研究を進める。また,数値実験や実データの解析を通じて,推定量の利用にともなうリスクの評価をおこないたいと考えている。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度発刊予定の書籍で,本研究に関連するものをいくつか購入する予定である。また,数値実験をおこなうため,コンピュータ言語に関する書籍やソフトウェアの購入も計画している。
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Research Products
(1 results)