2013 Fiscal Year Annual Research Report
行列型パラメータをもつ統計的モデルに対するベイズ推定理論と応用についての研究
Project/Area Number |
23500361
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
津熊 久幸 東邦大学, 医学部, 講師 (50424685)
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Keywords | 多変量推測理論 / 統計的決定理論 / ベイズ推定 / 縮小型推定 / ミニマクス推定量 |
Research Abstract |
科学技術の急速な発展にともない、地球観測データやゲノム関連データ、画像データのような大規模データを解析する必要性が高まり、複雑なデータ構造を柔軟に表現するための統計的モデルと、より体系的で統一的な多変量推測統計学の理論構築が喫緊の課題となっている。このことを踏まえ、本研究では行列型配列データを解析する際に必要となる行列型パラメータをもつ統計的モデルに対する縮小推定法やベイズ推定法の開発を目標とした。今年度は高次元モデルにおける位置パラメータの推測問題を中心に研究をおこない、以下のような結果を得た。 1.正規性が仮定される高次元モデルにおいて、平均行列の推定問題を2乗損失関数の下で扱った。先行研究において発見された平均ベクトルの縮小推定量を含む行列型推定量の族を考えた。この推定量の族は、平均行列のサイズや次元の大きさに依存しない形で表現され、リスク関数を統一的に評価できるところが利点である。また、打ち切り型推定量についても解析的な結果を与えることに成功した。数値実験を通じて、打ち切り型推定量の優位性を実証することができた。 2.特異な多変量正規分布モデルの平均ベクトルの推定問題を2乗損失関数の下で扱った。事前分布の列を考えることにより、最尤推定量のミニマクス性を示した。ある縮小型推定量の族に関するリスクの不偏推定量を導出し、その族がミニマクスになるための条件を求めた。この条件を利用して、ミニマクスな一般化ベイズ推定量を構成した。また、打ち切り型推定に関する解析的な結果を与えることにも成功した。
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Research Products
(3 results)