2011 Fiscal Year Research-status Report
イベント発現時間が正確に特定できない場合の臨床試験のデザインに関する統計学的研究
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23500365
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Research Institution | National Institute of Public Health |
Principal Investigator |
西川 正子 国立保健医療科学院, 政策技術評価研究部, 上席主任研究官 (50373395)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 医療・福祉 / 医薬生物統計 / 臨床試験 |
Research Abstract |
有効で安全な最適な治療方法を確立するためには、その有効性・安全性を確認する信頼性の高い臨床試験の開発が必須である。そのためこれまで、治療方法の有効性と安全性を同時に精度よく評価する検定方法を開発してきた。そこでは、検査によってイベント発現時間が特定できると仮定された。しかし通常の臨床試験では、イベント発現時間は正確に特定できないで、いつからいつまでの間という区間打ち切りデータとして与えられる場合も多い。そこで本研究では、イベント発現の区間打切りデータに基づいて、有効性と安全性のバランスを勘案した信頼性の高い臨床試験の評価方法を確立する。平成23年度は、1.従来用いられている、観察打切り区間に対してある1つの(代表となる)時点をあたかもその時点にイベントが起こったかのように扱う1点代入法や、予備研究においてわかったZaoの方法が誤った評価結果を出す現象について詳細な分析を行った。観察打切り区間を用いて解析を行うZao以外の検定方法として、比例ハザードモデルおよびそれに関連するモデルを用いた方法について調査を行った。2.がんの治療において、抗がん剤の投与サイクル、放射線治療サイクルや検査時点などについての最新情報を、文献や医学系の国内学会などで調査した。3.実際の抗がん剤や手術の最新の治療計画における投与サイクルや検査時点などに関して起こりうる複雑な臨床試験環境が評価結果に及ぼす影響を調べるため、比較する治療方法の間で検査時点が異なる場合について調査した。これらの調査結果をもとに1点代入法およびZaoの検定方法、比例ハザードモデルを用いた方法についてのsimulationデザインおよび解析プログラムの検討を行った。1点代入法およびZaoの検定方法については比較する治療方法の間で検査時点が同じ場合および異なる場合について解析プログラムがほぼできあがった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
観察打切り区間を用いて解析を行うZao以外の検定方法として、観察打切り区間を用いて比例ハザードモデルおよびそれに関連するモデルを用いた方法を検討した。比例ハザードモデルは比較試験において応答に影響を与える要因を調整したり、観察研究において要因効果を検討するときなどに汎用され、応用の範囲が広い。この理論による解析プログラムは現在開発中である。
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Strategy for Future Research Activity |
観察打切り区間を用いて比例ハザードモデルを用いた解析方法の理論に基づく解析プログラムを作成する。区間打切りデータを用いるZaoの検定方法について、不合理な点の改良を検討する。Zaoの検定方法を改良した検定統計量の合理性の検討と改良を実施し、考案した方法に基づく解析プログラムを開発する。応用に関連する治療領域や関連する解析方法・試験デザインについての最新の情報を国内外の学会に参加するなどして適宜収集・意見交換し、デザインや検定方法の改良に反映させる。研究結果の中間報告などを適宜行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
物品費 200,000円、旅費 500,000円、人件費・謝金 300,000円、そ の 他400,000円、計 1400,000円
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Research Products
(5 results)