2012 Fiscal Year Research-status Report
イベント発現時間が正確に特定できない場合の臨床試験のデザインに関する統計学的研究
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23500365
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Research Institution | National Institute of Public Health |
Principal Investigator |
西川 正子 国立保健医療科学院, 研究情報支援研究センター, 上席主任研究官 (50373395)
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Keywords | 医療・福祉 / 医薬生物統計 / 臨床試験 |
Research Abstract |
有効で安全な最適な治療方法を確立するためには、その有効性・安全性を確認する信頼性の高い臨床試験の開発が必須である。そのためこれまで、治療方法の有効性と安全性を同時に精度よく評価する検定方法を開発してきた。そこでは、検査によってイベント発現時間が特定できると仮定された。しかし通常の臨床試験では、イベント発現時間は正確に特定できないで、いつからいつまでの間という区間打ち切りデータとして与えられる場合も多い。そこで本研究では、イベント発現の区間打切りデータに基づいて、有効性と安全性のバランスを勘案した信頼性の高い臨床試験の評価方法を確立する。平成24年度は、 1.従来用いられている、観察打切り区間に対してある1つの(代表となる)時点をあたかもその時点にイベントが起こったかのように扱う1点代入法や、予備研究においてわかったZaoの方法が誤った評価結果を出す現象について詳細な分析を行った結果をまとめ、国際学会で発表した。 2.ログランク検定及び比例ハザードモデルを用いた解析方法の考え方を考慮にいれて、区間打切りデータを用いるZaoの検定方法について、不合理な点の改良を検討し、改良した検定統計量の合理性を評価した。 3.がんの臨床試験において、新しく提唱されているバイオマーカーを用いた臨床試験デザインと評価項目、評価方法などについての最新情報を、文献や医学系の国内学会などで調査した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
従来用いられている、観察打切り区間に対してある1つの(代表となる)時点をあたかもその時点にイベントが起こったかのように扱う1点代入法や、予備研究においてわかったZaoの方法が誤った評価結果を出す現象について詳細な分析を行った結果をまとめ、国際学会で発表した。ログランク検定及び比例ハザードモデルを用いた解析方法の考え方を考慮にいれて、区間打切りデータを用いるZaoの検定方法について、不合理な点の改良を検討し、その検定統計量の合理性を評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度、比例ハザードモデルを用いた解析方法の考え方を考慮にいれて、区間打切りデータを用いるZaoの検定方法について、不合理な点の改良を検討し、改良した検定統計量の合理性を評価したところ、これまで検討した方法では顕著な改善が見られないことが判明した。そこで来年度は、これまでの検討結果に基づいて、 ログランク検定及び比例ハザードモデルを用いた解析方法の考え方を考慮にいれつつ新たな方法を考案し、その解析プログラムを作成する。それを用いて、区間打切りデータを用いるZaoの検定方法について、不合理な点の改良を更に進める。Zaoの検定方法を改良した検定統計量の合理性の検討と改良を実施し、考案した方法に基づく解析プログラムを開発する。また、解析データの取り扱い方法について検討を行う。この分野の発展は非常に早いので、応用に関連する治療領域や関連する解析方法・試験デザインについての最新の情報は継続的に収集・意見交換することとし、デザインや検定方法の改良に反映させる。また、本研究のこれまでの結果について学会報告などを行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
これまでの検討結果に基づいた新たな改良方法の解析プログラムを作成する。その性能をsimulationにより検討する。プログラム作成にかかわる消耗品(その他の費目)を購入する。様々なパラメータの組み合わせをテストする必要があり、プログラム作成、結果や関連資料の整理には研究補助者の協力を得るので謝金が必要。 この分野の発展は非常に早いので、応用に関連する治療領域や関連する解析方法・試験デザインについての最新の情報を継続的に収集するために書籍(物品費)を購入したり文献複写(その他の費目)を行ったりする。情報収集・意見交換のために国内学会に参加する旅費が必要。また、本研究のこれまでの結果について学会報告などを行う旅費が必要。
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