2013 Fiscal Year Annual Research Report
イベント発現時間が正確に特定できない場合の臨床試験のデザインに関する統計学的研究
Project/Area Number |
23500365
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Research Institution | National Institute of Public Health |
Principal Investigator |
西川 正子 国立保健医療科学院, 研究情報支援研究センター, 上席主任研究官 (50373395)
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Keywords | 医療・福祉 / 医薬生物統計 / 臨床試験 |
Research Abstract |
有効で安全な最適な治療方法を確立するためには、その有効性・安全性を確認する信頼性の高い臨床試験の開発が必須である。そのためこれまで、治療方法の有効性と安全性を同時に精度よく評価する検定方法を開発してきた。そこでは、検査によってイベント発現時間が特定できると仮定された。しかし通常の臨床試験では、イベント発現時間は正確に特定できないで、いつからいつまでの間という区間打ち切りデータとして与えられる場合も多い。そこで本研究では、イベント発現の区間打切りデータに基づいて、有効性と安全性のバランスを勘案した信頼性の高い臨床試験の評価方法を確立する。 予備研究において、区間打切りデータに基づいて治療方法の有効性・安全性を評価する従来の検定法では、評価結果の信頼性に重大な疑問点があることが判明した。平成24年度までに、従来用いられている、観察打切り区間に対してある1つの(代表となる)時点をあたかもその時点にイベントが起こったかのように扱う1点代入法や、予備研究においてわかったZaoの方法が誤った評価結果を出す現象について詳細な分析を行った結果をまとめ、国際学会で発表した。 区間打切りデータを用いるZaoの検定方法について、不合理な点の改良を検討し、改良した検定統計量の合理性を評価した。 平成25年度は、Zaoの検定方法について、不合理な点の改良を更に進めた。その過程で、汎用ソフトRも利用し、Rのパッケージ自体の挙動の不安定さが発覚し、これを救済する方法を検討した。結果をまとめ、国際学会で発表する予定である。また、臨床試験の医療経済的側面からの評価を考え、汎用されている「看護必要度」を利用した重症期間を取り入れることに着目した。重症期間は区間打切りデータとなる。疾患によって重症か否かの観測間隔を変えて記録を簡素化することが可能であると考えられるので、重症期間の現状について調査検討を行った。
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Research Products
(5 results)