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2012 Fiscal Year Research-status Report

熱安定性計算による超好熱菌蛋白質の変性状態構造と耐熱化機構の解明

Research Project

Project/Area Number 23500366
Research InstitutionHirosaki University

Principal Investigator

斎藤 稔  弘前大学, 理工学研究科, 教授 (60196011)

Keywords変性構造 / 熱安定性 / シミュレーション / 自由エネルギー計算 / 超好熱菌 / スーパーコンピュータ
Research Abstract

蛋白質の変性状態の構造は、耐熱性を決定する重要な因子であるが、溶液中で大きく揺らいでおり観測が困難であるため、未だに明らかにされていない。本研究の目的は、熱安定性の実験結果を任意パラメタ無しで再現できるような、変性状態の構造モデルをシミュレーションによって構築することである。研究対象を、超好熱菌Tk-RNaseHIIに絞った。Tk-RNaseHIIは、すべてのIleとleuとをAlaに置換した熱安定性変化が実験によって明らかにされている(阪大の高野ら)。一方、計算は、申請者が培ってきた、任意パラメタを一切用いない熱安定性自由エネルギー計算法によって行っている。
本研究の成否は、蛋白質のシミュレーションによって、変性状態のモデル構造を可能な限り多く抽出すること、そして、それらに対して自由エネルギー変化量を可能な限り迅速に計算することにかかっている。
24年度は、Tk-RNaseHIIの変成状態構造のモデルを抽出するために、23年度に実施した高温(500K)のシミュレーションを6ナノ秒継続した。そして、更に高温(600K, 700K)に上げたシミュレーションをそれぞれ13ナノ秒と9ナノ秒追加した。600Kのシミュレーションから得られた変性状態モデル構造を使った、変異体I56AとI6Aの熱安定性自由エネルギーの計算値は、実験値と良く一致した。したがって、本研究課題の研究方針が正しいことを確認できた。今後、他の変異体についても、同様に計算を進める予定である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

Tk-RNaseHIIの変性状態のモデル構造を、高温(400K,500K)のシミュレーションを長時間行って作り出す計画であった。しかし、400Kと500Kで長時間のシミュレーションを行ったものの、天然状態の立体構造を変性させるには不十分であった。そのため、600Kと700Kのシミュレーションを追加して、予定よりも多くの計算時間を費やすことになった。

Strategy for Future Research Activity

変異体毎に得られた変性状態モデル局所構造から、全体構造を構築する。変性状態の全体モデル構造についての妥当性を、RNaseHIIの熱安定性実験を行った協力研究者(阪大の高野ら)と検討する予定である。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

代表者(本州最北端)と協力者(関西)は地理的に離れているため、研究費の多くを討議のための旅費に利用する予定である。

URL: 

Published: 2014-07-24  

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