2014 Fiscal Year Annual Research Report
心臓ネットワーク数理モデルの構築と分岐解析による交互脈の制御
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23500367
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
北島 博之 香川大学, 工学部, 教授 (90314905)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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Keywords | 分岐 / システムバイオロジー |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は下記の2点に焦点を絞り,研究を行った. 1.交互脈の抑制 交互脈は周期倍分岐により発生することが知られている.本年度は,Dobsonらによって提案されたclosest bifurcation の概念を基に,分岐による解の不安定化を制御するために新たなアルゴリズムを開発した.具体的には分岐集合に沿ってベクトル場を形成し,安定なパラメータ領域内のある点から出発し,分岐に当たった点における法線ベクトルを求める.次に,始めのパラメータ値からその法線ベクトル方向に変化させて同様の処理を繰り返すことにより,最も近い分岐点が求まる(closest bifurcation という).動作パラメータ値から最も近い分岐点の方向とは逆方向にパラメータを動かすことにより,分岐から最も遠いパラメータ値を求めることが可能となる.提案手法を心筋細胞モデルに適用し,交互脈の発生点からパラメータ値を遠ざけることに成功した. 2.FPGAを用いた解析の高速化 初年度において,簡単な数理モデルに対してFPGA上に分岐解析ツールの構築を行った.本年度は,複雑な数式で記述される神経細胞モデルのシミュレータをFPGA上に構築した.ルックアップテーブルの作成や,ハードウェア用の数値解析アルゴリズムを実装した.結果としてCPUよりも高速に演算できる専用シミュレータの開発に成功した.更に,心臓の刺激伝導系モデルのシミュレータをFPGA上に作成し,並列処理を行うことによりCPUよりも約20倍の高速化を達成できた.
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Research Products
(7 results)