2011 Fiscal Year Research-status Report
基質結合部位予測に向けたタンパク質局所構造の高速比較法の開発
Project/Area Number |
23500374
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
富井 健太郎 独立行政法人産業技術総合研究所, 生命情報工学研究センター, 主任研究員 (40357570)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | タンパク質 |
Research Abstract |
タンパク質の基質結合部位を粗視化したデータと多次元空間における超高速近傍探索法を利用し、数百万のオーダーのタンパク質の基質結合部位比較に適用可能な高速な局所構造比較法の開発を行った。具体的には、まず基質結合部位を、構成するアミノ酸残基の物理化学的性質や二次構造等に応じて特徴空間上の点として配置する。そして、この特徴空間上で超高速近傍探索法: SketchSortを適用することにより、性質の良く似た基質結合部位のペアを高速かつ効率的に検出する手法を開発した。実際にPDBに登録されている既知の基質結合部位と、予測により得られた潜在的な基質結合部位からなる120万部位の比較に提案手法を適用した結果、一般的なデスクトップ計算機でも数十時間のオーダーで類似結合部位ペアを網羅的に列挙できた。得られたペアには、相同タンパク質間の共通基質結合部位ペアに加えて、未知の活性部位候補等が見つかった。 更なる調整の結果、我々の開発したタンパク質局所構造比較手法は、従来の比較手法よりも1000倍以上の高速化を実現し、タンパク質立体構造データベースProtein Data Bank (PDB)中の数百万にのぼる基質結合部位から類似部位を網羅的に列挙することを可能とした。開発手法を300万を越す既知及び潜在的な基質結合部位の比較に適用し、ファミリーやフォールドの異なるタンパク質間で共通した機能部位の抽出に成功した。また、この比較解析の結果をまとめたデータベースPoSSuMを構築し、一般に公開している(http://possum.cbrc.jp/PoSSuM/)。開発手法はタンパク質の機能推定や薬剤設計等に貢献することが期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り非常に高速なタンパク質局所構造比較法の開発を行った。これに加え、開発手法をPDBに網羅的に適用し、発見した類似部位に関する知見を関係データベースとして整理し、その公開まで完了したため。
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Strategy for Future Research Activity |
開発手法を利用して獲得された結果の解析や応用に向けた研究を推進する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
バックアップ用機器の購入や計算機保守費、研究発表や打ち合わせ等の旅費を予定している。
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