2011 Fiscal Year Research-status Report
進化計算アプローチによる創薬標的GPCRの立体構造予測法の開発
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23500376
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
石野 洋子 山口大学, 大学院技術経営研究科, 准教授 (90373266)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 進化計算 / バイオインフォマティクス |
Research Abstract |
創薬の初期段階では,通常,標的タンパク質に結合する薬剤候補の低分子化合物(リガンド)を,計算機を用いて仮想スクリーニングする.その過程では,標的タンパク質の高精度な立体構造情報が不可欠であるが,現在までに立体構造が確定しているタンパク質の種類・数は限られている.それを補うため,コンピュータによる標的タンパク質の構造予測が盛んに行われているが,当該タンパク質の種類や性質によってその予測精度は大きく異なる.本研究で対象とするGタンパク質共役型受容体(G-Protein Coupled Receptor: GPCR)は重要な創薬ターゲットであるにもかかわらず,これまで結晶構造解析で立体構造が解明されたものは数種類しかない.さらにGPCRは構造の揺らぎが大きいため、コンピュータによる構造予測の精度に限界がある.そこで本研究では、GPCR特有の構造の揺らぎを考慮した新しい構造予測方法を開発することを目的とする.具体的には、GPCRとその既知のリガンドとの結合シミュレーションをモジュール化して進化計算に組み入れることで,揺らぎによって起こる様々な構造のなかから最良構造を探索できるようにする.本年度は,GPCRの立体構造の解空間を十分に探索し標的リガンドと結合する最良構造を高精度に求める新たな計算アルゴリズムを開発することを目標とし,まず,並列化計算を可能にする計算機環境を整えた.そして,最近新たに発表されたGPCRの物理化学的な実験による知見を精査し,ロイコトリエン受容体を例に取り上げた予備研究における実験結果の再検討を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究代表者が平成23年4月に広島大学から山口大学に異動し,大学院技術経営研究科にて新たな科目の講義や研究指導を行うことになった.そのため,本研究を集中して行う時間の確保が難しくなり,研究計画よりやや遅れた進捗となってしまった.
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Strategy for Future Research Activity |
GPCRが標的リガンドと結合する最良構造を高精度で求める計算プログラムの並列化を行い,並列コンピュータに実装する.立体構造既知のGPCRであるヒトβアドレナリン受容体のデータを用いてプログラムの動作を確認した後,計算で得られる立体構造と他の論文に記載されている立体構造を比較し,計算パラメーターを調整する.そして,リガンド既知の他のGPCRのうちから標的GPCRを数種類選択し,立体構造を計算で求め,化合物データベースを用いた仮想スクリーニングを行い,結果が妥当かどうか検証する.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度は,23年度に購入した計算機環境を使用して実験を行うため,大規模な設備備品費はかからない.主にかかる費用は,調査のための出張費,書籍・マニュアル・ソフトウェア等の消耗品費,論文校閲費(謝金等)を想定している.なお,納入時期および業者の違いから,23年度に購入したドッキング計算用計算機一式が研究申請時の計画より低価格に抑えられ,未使用額が若干生じたが,この金額も合わせて使用予定である.
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Research Products
(2 results)