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2012 Fiscal Year Research-status Report

無配線分子コンピューティングの基礎研究

Research Project

Project/Area Number 23500377
Research InstitutionSendai National College of Technology

Principal Investigator

平塚 眞彦  仙台高等専門学校, その他部局等, 准教授 (80331966)

Keywords計算機システム / 生体生命情報学 / 分子コンピューティング
Research Abstract

無配線分子コンピューティングの可能性を総合的に検証するために,集積回路工学と計算機科学の観点から,下記の2項目の取り組みを並行して実施した.
1.集積回路工学の観点から: 分子回路の構成に関して機能的に完全な人工触媒素子の機能モデルを定式化した.また,この人工触媒素子をマイクロ電極デバイスとして実現し,これを2次元配列状に集積化した人工触媒素子チップを開発した.マイクロ電極の協調動作により,チップ上の微量溶液中に人工的に制御された2次元反応拡散場を創出することを試みた.これは無配線集積回路の動作原理を実証する重要な成果である.
2.計算機科学の観点から: 人工的な反応拡散場を利用した新しいコンピューティング/信号処理モデルを検討した.これは究極的には人工触媒素子チップにおいて完全並列に実現することを想定するが,用途によっては本研究者らのグループが提案する「ディジタル反応拡散システム(DRDS: Digital Reaction-Diffusion System)」と呼ぶ非線形多次元フィルタの枠組みを利用して,シグナルプロセッサ上で実現することも可能である.DRDSを用い,(1)生物系テクスチャ画像の生成,(2)指紋画像の復元,(3)2次元経路探索,(4)ボロノイ図生成などのアルゴリズムを検討し,計算機シミュレーションにより検証を行った.これはある種の並列計算の可能性を示唆する有用な成果である.

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

4: Progress in research has been delayed.

Reason

「研究の目的:無配線分子コンピューティングの可能性の総合的検証」の達成度
1.集積回路工学の観点から: 分子回路の構成に関して機能的に完全な人工触媒素子の機能モデルを定式化した.また,この人工触媒素子をマイクロ電極デバイスとして実現し,これを2次元配列状に集積化した人工触媒素子チップを開発した.無配線集積回路の動作原理の実証を目指し,前年度に引き続き原理実験を継続するにとどまった.本年度中に説得力のあるデモンストレーションを達成するには至らなかった.
2.計算機科学の観点から: 人工的な反応拡散場を利用した新しいコンピューティング/信号処理モデルを検討した.本研究代表者らのグループが提案する「ディジタル反応拡散システム」と呼ぶ非線形多次元フィルタの枠組みを利用して,種々の応用アルゴリズムを開発中の段階である.前年度に引き続きアルゴリズムレベルの検討と計算機シミュレーションを継続するにとどまり,反応拡散のダイナミクスを利用したアルゴリズムの系統的な設計法や計算能力を明らかにするには至らなかった.

Strategy for Future Research Activity

集積回路工学と計算機科学からの取り組みを並行して実施する.
1.集積回路工学の観点からの取り組み: 各種の非線形結合振動子系を実現する人工触媒素子ネットワークを設計するとともに,これまでに試作した2次元人工触媒素子チップをプログラムすることにより,その動作を確認する.特に,FitzHugh-南雲方程式に代表される興奮場の反応拡散ダイナミクスをチップ上で再現し,Belousov-Zhabotinski反応のような動的に伝搬する反応拡散波の発生を確認する.さらに,人工触媒素子チップの最適な幾何学的配置などについて試作実験を通して総合的に検討する.また,チップ上で発生する反応拡散波の可視化や,これを用いた経路探索やボロノイ図生成の実現などを含め,説得力のあるデモンストレーションを試みる.
2.計算機科学の観点からの取り組み: これまでに検討した応用(1)生物系テクスチャ画像の生成,(2)指紋画像の復元,(3)2次元経路探索,(4)ボロノイ図生成のアルゴリズムを数値解析用ソフトウェアMATLAB上において実装し,総合的な評価を行う.ディジタル反応拡散システム(DRDS)は多次元の非線形ディジタルフィルタとしてモデル化されるため,その動作解析には膨大な計算量が要求される.そこで,計算量の削減ならびに並列シミュレーションについて検討を加える.

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

「該当なし」

URL: 

Published: 2014-07-24  

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