2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23500382
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
勝山 成美 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (00291906)
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Keywords | 奥行き知覚 / キャストシャドウ / 両眼視差 / 機能的MRI / サル |
Research Abstract |
キャストシャドウは有力な単眼性の奥行き手がかりである。しかし、それが脳のどこで、どのように処理されているかはわかっていない。そこで我々は、機能的MRI実験を行ない、キャストシャドウによる奥行き知覚に関与する脳部位を調べた。 キャストシャドウの動きによって物体が奥行き方向に往復運動をするように見える錯視動画を用い、被験者が物体の動きの弁別課題を行なっている時に活動する脳部位を観察した。その結果、左右のMT野とV3A野、また右の後部頭頂間溝に活動が見られた。被験者に立体視を行なわせ、両眼視差によって物体が同じ動きをするように見える動画を呈示すると、同じ領野に活動が観察されたことから、これらの脳部位では両眼視差とキャストシャドウによる奥行き情報が統合されていることが示唆された。 次に我々は、サルによる電気生理実験を行ない、これらのMT野、V3A野、および後部頭頂間溝のニューロンが実際にキャストシャドウによる物体の奥行き方向の動きに反応するかどうかを調べた。まず、サルもヒトと同様にキャストシャドウによって奥行き知覚を得ているかを調べるため、行動実験を行なった。サルに液晶シャッターメガネをかけて両眼立体視を行なわせ、物体が奥行き方向に接近する場合はGO反応、離反する場合は遅延GO反応をするような弁別課題を訓練した。サルが課題を覚えたら、キャッチ試行として両眼視差がなく、キャストシャドウによって物体が接近・離反するように見える動画をランダムに挿入すると、サルは両眼視差のある試行と同様の反応を示した。このことから、成体のサルもヒトと同様にキャストシャドウから奥行き知覚を得ていることが明らかになった。
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Research Products
(2 results)