2011 Fiscal Year Research-status Report
嗅覚一次中枢・嗅球糸球体の解析:傍糸球体細胞の更なる解析
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23500412
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
小坂 克子 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (60202058)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 嗅球 / カルシウム結合タンパク / 糸球体 / transcription factors / 傍糸球体細胞 / 短軸索細胞 / 局所回路 ニューロン / レーザー顕微鏡 |
Research Abstract |
本年度は、新たに発見されたカルシウム結合蛋白secretagogin陽性ニューロンについて、主に蛍光抗体法及びABC-DAB法で陽性ニューロンの分布・形態的特徴の解析を進めた。secretagogin陽性ニューロンは糸球体層と顆粒細胞層にひろく分布していた。糸球体層でcalbindin, calretinin等のこれまでの他のカルシウム結合タンパク陽性ニューロンと比較したところ、calbindin陽性ニューロンとは重複がなく、calrertinin陽性ニューロンとは一部重複していることが確認できた。また、tyrosine hydroxylase陽性GABAドーパミンニューロンとも一部重複することが明らかにできた。secretagogin陽性ニューロンの一部は単一糸球体に突起を伸ばすというよりはいくつかの糸球体をつなぐかのように層に対して水平方向に突起を長く伸ばしているのが観察できた。このことからsecretagogin陽性ニューロンはいわゆるperiglomerular cellと考えられるものとsuperficial short axon cellと考えられるものとが混在している可能性、あるいは両者の性質を有したこれまでとは別のカテゴリーの介在ニューロンも存在している可能性も示唆された。次に、化学的性質の解析としてtranscription factors, Sp8とTbx21の解析を進め、secretagogin陽性ニューロンがすべてSp8陽性Tbx21陰性であることを初めて示した。また、このようなtranscription factorsという視点から他のニューロン群の多様性を更に明確にした。一方、軸索初節部特異的分子マーカーを用いたperiglomerular cell、granule cell における軸索及び樹状突起hot spotsの有無の検討も進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画の第1であったsecretagogin陽性ニューロンの解析がかなり進んだ。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの解析はsecretagogin陽性ニューロンが他の化学物質との共存関係及び形態的特徴からある程度多様である可能性を示唆している。個々のsecretagogin陽性ニューロンをより詳細に形態解析することでこの問題をより明確にし、解決する必要がある。また、軸索初節部特異的分子マーカーを用いたスパイク発生部位の解析も進める。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
解析の主となる共焦点レーザー操作型顕微鏡、電子顕微鏡の備品は整備されている状況であるので、試薬、動物費用、消耗品を中心とした物品で50万円、また標本作製のためにパートの補助者を雇用するために人件費、謝金60万円を予定している。学会参加費等を10万円、さらに論文投稿関係費用として10万円を予定している。
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Research Products
(2 results)