2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23500428
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
後藤 恵 徳島大学, 大学病院, 講師 (50240916)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梶 龍兒 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (00214304)
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Keywords | ジストニア / 線条体 / 臨床神経生理 / 機能解剖 / 脳内機能マッピング / 遺伝子改変モデル / フィリピン / 脳深部刺激 |
Research Abstract |
X連鎖ジストニア・パーキンソニズム(DYT3)患者の術中神経活動解析の結果、不規則なburst and suppressionを呈するジストニア固有の異常発火パターンが淡蒼球内節神経細胞に証明された。また、脳深部刺激(DBS)治療研究では低頻度、高振幅刺激がジストニア症状抑制に有効であり経時的に進行性の改善パターンを示した。 フィリピン・マニラでのフィールド研究の結果、DYT3患者には高頻度に(80%以上)にうつ症状(depression)が存在することが判明した。これは、線条体コンパートメント構造の機能病理学的観点からDYT3患者にみられるストリオゾームの特異的病変に由来するものと考え報告した (Morigaki R, et al., Parkinsonism & Related Disorders 2013, in press)。 DYT3患者の剖検脳の解析では、線条体neuropeptide Y (NPY) systemの機能解剖学的異常が疾患特異性に存在することを見出した。NPYはドパミン・グルタミン酸シグナルを調節すると同時に神経細胞新生(neurogenesis)を規定していることから、この所見はDYT3患者の線条体神経細胞変性およびジストニア症状発現機序を考慮する上で重要と考え報告した (Goto S, et al., Brain 2013;136:1555-1567)。 ジストニア症状を呈する遺伝子改変モデルの解析では、ストリオゾームのドパミンおよびオピオイドシグナルの機能低下を示す所見が得られている。今後報告予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
DYT3患者の臨床神経生理学的研究では有意な結果が得られているが、まだ症例数が不足している。 剖検脳の解析では順次興味ある所見が得られており今後さらに進展していくものと考える。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究を継続し、成果は随時公開発表する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
残金については3月中に購入、納品済みであり、支払いについても4月に完了している。
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Research Products
(8 results)