2013 Fiscal Year Annual Research Report
筋萎縮性側索硬化症感受性遺伝子の単離と発症機構の解明
Project/Area Number |
23500433
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
飯田 有俊 独立行政法人理化学研究所, 統合生命医科学研究センター, 上級研究員 (10277585)
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Keywords | 国際情報交換 / 筋萎縮性側索硬化症 / ゲノムワイド関連解析 / 感受性遺伝子 |
Research Abstract |
本研究では、筋萎縮性側索硬化症(ALS)の遺伝的要因、分子病態の解明を目的に、候補遺伝子解析およびゲノム解析を行ってきた。 1. ZNF512B結合タンパクの解析を行った。この遺伝子は、本邦における大規模関連解析から、ALS感受性遺伝子として同定されたものである。ZNF512Bの機能と病態カスケードを解明するために、ZNF512Bに結合するタンパク質の探索を行った。結果、2種類の候補結合タンパク(Z512BP-1とZ512BP-2)を同定した。Z512BP-1遺伝子領域については、SNPマップを構築し、42種のタグSNPを用いて関連解析を行った。追加検体を用いて解析して、多重検定値をクリアーするSNP (P=1.2 X 10-4, OR 1.27, 95%CI 1.12-1.45)を見出した。しかし、Z512BP-2に関しては、関連は認められなかった。また、Z512BP-1に関して、全エキソンについて変異解析を行ったが、現在まで明らかな変異は発見できていない。ZNF512Bに関係するALS病態カスケードの解析を継続中である。 2.GWASに関しては、610K SNPアレーを用いて解析を行った。データの品質管理を行った後、imputation解析、追加検体を用いて、関連解析を行った。また、患者における遺伝子型と病像・経過・予後との関連を解析している。さらに今年度は、追加ALS症例340例についてGWASを行った。有意な関連を認める33種のSNPsを発見した。それらは、アレル頻度の低い新規のSNPであった。なお、数種のSNPは、これまでにGWAS以外の方法で発見されたALS関連遺伝子の遺伝子領域に存在するものであった。これまで蓄積したSNPデータを全て統合したメタ解析を行う。
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