2013 Fiscal Year Annual Research Report
オリゴデンドロサイトの髄鞘化と軸索保護におけるプロスタグランジンの役割の解明
Project/Area Number |
23500436
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
千葉 陽一 香川大学, 医学部, 講師 (30372113)
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Keywords | オリゴデンドロサイト / プロスタグランジン |
Research Abstract |
本研究計画の目的は、オリゴデンドロサイト(OL)の生理機能と病態形成におけるプロスタグランジン(PG)F2alphaの役割を明らかにすることである。平成25年度においては、中枢神経系におけるPGF2alphaの主要な合成酵素であるprostamide/prostaglandin F synthase (PMPGFS)ノックアウト(KO)マウスより単離した初代培養OL系譜細胞を用いて、OLにおけるPGF2alphaの機能について検討した。胎生17日齢の野生型(WT)マウス由来のOL前駆細胞(OPC)は、無血清培地(DF+N2+0.1% BSA)にPDGF, bFGFを添加した培養条件で増殖維持が可能であったが、PMPGFS KOマウス由来のOPCは無血清培地に置換して24時間後に死滅した。これに対し、無血清培地中に1 microMのPGF2alphaを24時間毎に添加すると、KOマウス由来のOPCも生存、増殖を維持することが可能となった。PGF2alphaの添加は、無血清培地への置換後48時間はOPCの生存維持に必須であったが、その後はPGF2alphaの添加なしでも生存、分化が可能であったことから、PMPGFS由来のPGF2alphaは、未熟なOL系譜細胞の初期の生存維持に必須である可能性が示唆された。一方、KOマウス由来のOPCを、甲状腺ホルモンを添加した無血清培地で6日間培養して分化誘導すると、WTマウス由来のOPCと同程度の比率でミエリン塩基性蛋白(MBP)陽性の成熟OLが出現した(WT 39.1±4.5%, KO 35.7±1.5 %, n = 3)ことから、PMPGFS由来のPGF2alphaの有無はOL系譜細胞の分化には影響しないことが示唆された。
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Research Products
(3 results)
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[Journal Article] Niemann-Pick disease type C1 predominantly involving the frontotemporal region, with cortical and brainstem Lewy bodies: An autopsy case.2014
Author(s)
Chiba Y, Komori H, Takei S, Hasegawa-Ishii S, Kawamura N, Adachi K, Nanba E, Hosokawa M, Enokido Y, Kouchi Z, Yoshida F, Shimada A.
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Journal Title
Neuropathology
Volume: 34
Pages: 49-57
DOI
Peer Reviewed
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