2011 Fiscal Year Research-status Report
アストロサイト系譜細胞の代謝異常によって生じる神経病態メカニズムの解析
Project/Area Number |
23500438
|
Research Institution | Institute for Developmental Research, Aichi Human Service Center |
Principal Investigator |
榎戸 靖 愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所, 病理学部, 室長 (90263326)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田村 拓也 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 助教 (80396647)
|
Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
|
Keywords | グリア細胞 / 脳代謝 / 先天性代謝異常 / 神経幹細胞 / 発達障害 |
Research Abstract |
1.正常あるいはCBS-/- マウス脳から採取したアストロサイトと正常マウス脳由来のニューロンとを、それぞれ0.1~3mMのメチオニン存在下、4~7日間共培養した。次に、アストロサイト上で生存しているニューロンを抗MAP2抗体ならびに抗NeuNで染色し、その数を比較した。その結果、CBS-/- マウス脳から採取したアストロサイトと正常マウス脳由来のニューロンとを培養した場合だけ、ニューロン死が観察された。また、正常アストロサイト上で正常あるいはCBS-/- マウス脳から採取したニューロンを培養した場合、どちらの条件下でもニューロン死は観察されなかった。2.CBS-/- アストロサイトから過剰のHcyが細胞外に放出されるか、メチオニン存在下で初代培養した正常およびCBS-/- アストロサイトの培養上清を回収し、その中に含まれるHcyの濃度をガスクロマトグラフィー/質量分析法(GC/MS)で定量した。この時、Hcy合成酵素阻害剤(3-Deazaadenosine)によってHcyの放出ならびに神経毒性が抑制されるか併せて確認した。その結果、CBS-/- アストロサイトから過剰のHcyが細胞外に放出され、これは3-Deazaadenosineによって阻害された。またLDHアッセイにより、放出されたHcyはし細胞からの流出でないことを確認した。3.脳代謝異常がDNAダメージ障害の引き金となるか検討するため、正常ならびにCBS-/- マウス脳組織をγH2AXなどのDNAダメージマーカー抗体で免疫組織染色し、それぞれニューロンとグリア細胞のDNAダメージ蓄積量を比較した。現在解析を行っている。4.CBS-/- マウス脳で見られた神経幹細胞障害の病態メカニズムを、それらの分化ならびに増殖能を指標に初代培養系を用いて解析するため、神経上皮細胞の単層培養系を確立した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度半ばに研究代表者の所属研究機関が変ったため、実験材料となる遺伝子組換えマウスの異動や繁殖、研究器機の調達などに時間を要した。現在、研究分担者との連絡・調整も含め、異動前と同様の研究環境となっており、今後の研究の遂行に支障はない。また研究データの取得も、次年度中に十分遅れを取り戻せる程度である。
|
Strategy for Future Research Activity |
推進方策の内容に特に変更の必要はなく、当初の研究計画に従って進めて行く。次年度に使用する予定の研究費311円は旅費等の使用額が予定より少なかったため生じたが、次年度の物品費に組み込むなどして使用して行く計画である。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
物品の購入ならびに通信費、旅費として使用して行く予定。大型備品の購入予定は無い。
|
Research Products
(6 results)